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2008年10月09日(木) 02時32分

<インサイダー>エネサーブ元役員 自社株で利益1千万円か毎日新聞

 東証1部上場の電力小売会社「エネサーブ」(大津市)の元取締役(54)が、自社の業績悪化を知って自社株を空売りし、1000万円超の利益を得た疑いのあることが分かった。証券取引等監視委員会は8日、証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で元取締役の自宅などを強制調査。今後、刑事告発を視野に調査を進める。

 元取締役は野村総研出身で、00年にエ社に入社、投資家向け広報を担当していた。

 調べでは、元取締役は在任中の06年5月ごろ、同年3月期決算で、経常利益が前期比半減の約49億円に落ち込み、翌期には無配に転落するとの未公表情報を知り、自社株数千万円分を空売りした疑い。元取締役は知人から借りた証券口座を使い、社内のパソコンから取引し、公表後株価が下落した後に買い戻して1000万円超の利益を得たと見られる。業績悪化は原油価格の高騰などが原因でエ社が06年5月17日に公表した。

 エ社は65年設立、電力設備の保守管理や電力販売を行っており、従業員数139人。00年8月にナスダック・ジャパン(現在の大証ヘラクレス)に上場、01年8月には東証1部に上場した。【堀文彦】

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