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2008年10月09日(木) 02時15分

<ノーベル化学賞>「とてもうれしい」寺西三重大教授毎日新聞

 96年に半年間、アメリカの研究所で下村さんと一緒にキノコの発光などについて研究した三重大大学院生物資源学研究科の寺西克倫(かつのり)教授(46)は津市の三重大の実験室で「とてもうれしい」とやや興奮気味に話した。「ここ数年、下村先生のノーベル賞受賞がうわさになっており、受賞の知らせを毎年心待ちにしていた」という。

 寺西教授は96年2〜6月、米ウッズホール海洋生物学研究所の下村さんの元に留学。その後、00年まではオワンクラゲの発光たんぱく質に関して共同研究を行い、その後は2人で、富山湾のホタルイカの発光メカニズムに関する研究を続けている。アイデアや研究方針は下村さんが決め、毎日のように電子メールでやりとりをして進めている。これまでに数本の共著論文があるという。

 留学当時、朝8時から午後7時までマンツーマンで研究をした。寺西教授は「私が実験をして下村先生が実験の解釈をする。嫌になるほどみっちり実験した」と話す。「金や名誉よりも科学の真理を追究する私利私欲のない人」と評価。優しいと同時に厳しい面があり「『そんな実験してても研究成果につながらないよ』などとよく言われた」と苦笑いした。

 ノーベル賞を受賞した研究については、「下村先生が60年代に発見したことが、90年代以降のバイオサイエンスの最先端技術につながっていると思う」と満面の笑みを浮かべた。【山口知、根本毅】

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