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2008年10月08日(水) 11時54分

横浜・山下ふ頭に造船所が出現!?オーマイニュース

 『「種は船」造船プロジェクト』と題するイベントが横浜・山下ふ頭8号物揚げ場で行われている。アーティスト日比野克彦さんの企画による、このプロジェクトのテーマは「出航」。来年、開港150周年を迎える横浜市の主催で、おりから開催中の「横浜トリエンナーレ2008」と並行して開催されている。

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 なぜ「種は船」なのか? 日比野さんの説明によると、「種はタイムカプセルのように時間・場所を記憶して運んでくれる船のようだから」だそうだ。朝顔の種から思いついたというこのプロジェクトで制作されている“船”は、どことなく朝顔の種のような形をしている。

 船の強度を船底で支える竜骨や肋材はベニヤ板を重ねて作る。精度や強度を確保するために職人がレーザーカット加工し、曲げなど重要な部分にはスチールパーツを使う。段ボール紙を張って作った船体は外側と内側をウレタン樹脂で塗装して水密性を確保する。デザイン、組み立て、塗装工程には、市民の参加者を募って、11月30日まで毎週土日と祝日に作業が進められている。

 もちろん本物の船ではないが、重心の位置は浮力の中心が船体の垂直中心線と交わる位置より下にあるので、人を乗せてもちゃんと水に浮き、ゆれても復元性を保つ構造になっている。じっさいに、このプロジェクトに先だって制作された船に3人が中に入ったまま、安定して水面に浮くことが確かめられているそうだ。もちろんほんとうの船ではないので動力も舵(かじ)もなく、ただ浮いているだけだが。

 すでに完成した2隻にくわえて、11月29日の“進水式”までに合計5隻の“船”を作る予定だという。作業リーダーの辻村裕二さんは、「興味のある方はぜひこのプロジェクトに参加して、作業をとおしてアート制作のプロセスを体験して欲しい」と呼びかけている。この秋、横浜でちょっと変わった非日常体験をしてみませんか。

会場:横浜市中区山下町279‐1地先の山下ふ頭8号荷揚場(山下公園東端)
入場料:無料
期間:11月30日までの土日と祝日オープン
アートディレクター:日比野克彦
主催:横浜市開港150周年・創造都市事業本部

アクセス:
みなとみらい線の元町・中華街駅から徒歩5分
JR桜木町駅から1〜3番バス停から26系統で山下公園前下車すぐ
その他の系統は中華街入口下車徒歩3分

(10月4日、横浜市中区で=撮影:矢山禎昭)

(記者:矢山禎昭)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081008-00000000-omn-l14