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2008年10月07日(火) 14時02分

直径1〜3mの天体が本日、大気圏突入:この種の予測は初めてWIRED VISION

自動車『Smart』ほどの大きさの流星体が今晩[米国時間6日夜、日本時間では7日昼]、スーダン上空の大気圏で燃え尽きると予測されている。この種の予測が行なわれるのは、今回が初めてだ。

この大きさの物体であれば危険はないが、燃え尽きる光景はなかなかの見物になるはずだ。

今回の予測を行なったのは、国際天文学連合(IAU:International Astronomical Union)内部の小惑星センター(MPC:Minor Planet Center)。[小惑星センターはマサチューセッツ州ケンブリッジにあり、スミソニアン天体物理観測所が運営している]

同センターに所属するGareth Williams氏は6日の声明で、「典型的な流星は、砂粒ほどの大きさの流星物質が原因で生じる」と述べている。「今回の現象は、比較するとかなりの見物になるだろう」

参考のために書いておくと、アリゾナ州にあるメテオ・クレーターを作った隕石は、直径およそ46メートルだったと推定されている。[メテオ・クレーターは、バリンジャー・クレーター、アリゾナ大隕石孔とも呼ばれ、直径約1.5キロメートル、深さ約170メートル。

APの記事によると、今回の流星体は、直径が1メートルから5メートルの間と推定されている]

小惑星センター(MPC)の天文学者たちは、『地球近傍天体(Near-Earth Object)』と呼ばれる、地球に接近・衝突する可能性がある天体について研究している。同センターは全世界から観測データを集め、チェックし、軌道を計算し、情報を公開している。[MPCは、小惑星や彗星などの観測を手助けするための、数多くのオンラインサービスを無料で運営している。小惑星の完全なカタログであるMPC軌道データベースも無料でダウンロードできる。なお、直径50メートル以下の地球近傍天体を「流星体」、50メートル以上のものを「小惑星」と呼ぶ]

今回の流星体は、5日深夜(6日0時ちかく、米国時間)に、アリゾナ州にあるMt. Lemmon天文台で発見され、素早い計算の結果、地球大気圏に突入することが明らかになったものだ。[前述のAP記事によると、発見されたときは月より少し先にあった。暗くて小さいので発見が遅れ、6時間前の通告になったという]

「このサイズの天体が地球大気圏に突入すること自体は、数カ月に1度起こっている。今回のイベントでユニークなのは、最終段階の直前にこの天体を観測した点だ」と、Near-Earth Object Office(地球近傍天体プログラム事務室)のDon Yeomans氏は声明で述べている。Near-Earth Object Officeは、カリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所の中にある。

米国東部標準時で6日の午後10時46分[日本時間7日の午前11時46分]、北アフリカ、中東、そしておそらくは南ヨーロッパにおいて、非常に明るい火球が空に広がる現象が観測できるはずだ。

「誰かが撮影してくれることをとても願っている」とWilliams氏は述べた。

[2004年3月には、直径約10メートルの天体『2004FU162』が、地球の上空6500キロメートルを通過するという「ニアミス」を起こしたが、この天体が検知されたのは最接近の9時間前だった]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081007-00000003-wvn-sci