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2008年10月07日(火) 20時25分

レクサス13年ぶり前年割れ確実 米市場を金融危機が直撃J-CASTニュース

 レクサスの世界販売が13年ぶりに前年割れとなることが確実になった。主力の米国市場では、金融危機が直撃して、2008年9月の販売が前年同月比で30%以上割り込んだ。レクサスを含むトヨタ車の販売についても「過去50年で最悪」といわれる事態にもなっている。

■9月の販売実績は33%減

 レクサスの世界販売が、日米貿易摩擦で輸出を規制した1995年以来、13年ぶりに前年割れになることが濃厚になった。08年1〜8月のレクサスの世界販売台数は、前年比9%減の31万4000台。トヨタ自動車は、07年の販売台数の51万8000台に近い台数を販売する計画だったが、主力の米国市場は大不振に陥っており、08年はそれを大きく下回ることになりそうだ。

 米トヨタ自動車販売が2008年10月1日に発表した08年9月の販売実績によれば、トヨタ車の販売台数は前年同期比32%減の約14万4000台。レクサス車では、前年同期比33%減の約1万6000台だった。

 この販売実績について、米「Automotive News」はレクサスを含むトヨタは「過去50年で最悪の売れ行き」と表現。米トヨタ幹部の「高級車の顧客は、金融危機のニュースに顕著に影響されるようだ」というコメントを紹介し、富裕層を中心に、自動車販売が低迷している状況を紹介している。米市場はレクサス車世界販売の6割程度を占めており、これが大きな不振に陥っていることで、08年の前年割れは避けられない状況になってきた。

■国内工場での減産を各紙が報道

 さらに、国内でもレクサス車は不振だ。日本自動車販売連合会の発表によれば、08年8月のレクサスの販売台数は44.4%減、9月は23.6%減と減少傾向に歯止めがかかっていない。これも不況が影を落としているものとみられる。さらに、レクサスを生産している田原工場(愛知県田原市)などの国内工場での減産が各紙の報道で指摘されるなど、前年を上回る需要の低下はもはや明瞭な状況になってきている。

 トヨタ自動車広報部はJ-CASTニュースに対し、「生産計画は公表していない」と述べて、田原工場での「減産」については明言を避けているが、13年ぶりの前年割れが確実になっている情勢については、

  「独自のプレミアムブランドの地位を確立し、高級車のなかでは国内でシェアを確実に取れていると考えている」

と話している。


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