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2008年10月07日(火) 00時00分

2人目出産 周囲が反対読売新聞

 30歳代主婦。年の離れた夫、息子の3人で暮らしています。夫は再婚で、前妻との間に中学生になる子どもがおり、その子は現在、夫の母が育てています。

 私は、もう1人自分の子を産みたいのですが、前妻の子の養育費もあり、経済的な余裕が全くありません。それに「もう1人」については、私の親からも夫の親からも反対されています。夫は賛成してくれていますが、将来のことまで考えているようには思えません。

 やりがいのあることを見つけることで、あきらめようと努力しましたが、うまくいきません。周りのお母さんたちが2人目、3人目と子どもを産んでいくのを見ると本当にうらやましく、赤ちゃんを見るのもつらくなります。子どもを産み育てることのすばらしさを知っているので、なおさらつらいです。(大阪・D子)

 子育ての素晴らしさを知って、もう1人産みたいと願うあなたの気持ちは同性としてよく分かります。ただ、お手紙から察すると経済的な問題に加えて、双方の親の反対など、難問が立ちはだかっているようですね。

 一般的に言えば、子どもを産むか否かは夫婦間の話し合いと産む女性の決断が尊重されるべきで、周囲がむやみに干渉すべきではありません。しかし、おそらくあなたの立場を配慮して義母が前妻の子の養育にあたっているように思われる事情も考えますと、もし産むなら、周囲の意見も尊重し、皆に祝福してもらえる条件を整える努力が大切です。

 具体的には、今の夫の収入で3人の子を分け隔てなく育てるだけの養育費がないということですから、あなたが働きに出て家計を補う覚悟も必要になるし、その際の夫の家事育児への協力も欠かせなくなるでしょう。

 子どもがいる男性との結婚を選択したのですから、少々複雑な事情があるのはやむを得ないことです。どんな決断をするにせよ、もう一度、夫としっかりと話し合ってみて下さい。夫婦で難問を乗り越える経験も、広い意味で子育ての喜びにつながると思います。

 (大日向 雅美・大学教授)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/kazoku/20081007-OYT8T00229.htm