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2008年10月07日(火) 02時30分

<こんにゃくゼリー>マンナンライフ、窒息死事故を報告せず毎日新聞

 兵庫県の男児(1歳10カ月)がこんにゃくゼリーを食べて窒息死した事故で、製造元のマンナンライフ(本社・群馬県)が、男児の父親から8月中旬に事故情報を知らされながら、業界団体に報告していなかったことが分かった。業界団体は相次ぐ事故を受け、昨秋、事故防止対策の一環として事故情報をメーカーなどが入手したら事務局に報告することを決めていた。

 マンナンライフや被害者の代理人弁護士によると、男児の父親は8月12日、同社のお客様相談室に電話し、男児が7月29日に同社製のこんにゃくゼリー「蒟蒻(こんにゃく)畑」を食べてのどを詰まらせ、重体になったことを伝えた。男児は9月20日に死亡した。

 全日本菓子協会と全国こんにゃく協同組合連合会、全国菓子工業組合連合会は昨春にこんにゃくゼリーによる死亡事故が2件相次いだことを受け、昨年9月に事故防止対策をまとめた。その中で「関係企業や関係団体がこんにゃくゼリーの事故情報を入手した場合は、すみやかに3団体で作る対策会議事務局に報告する」としていた。しかし、同社は報告せず、事務局が事故情報を得たのは、農林水産省から連絡があった9月10日だった。

 同社品質保証室は、報告しなかった理由について「公表できることはない」としている。

 全日本菓子協会の奥野和夫専務は「マンナンライフも事実がはっきりわからなかったようだが、結果的には報告すべきだった。今後どのような場合に報告が必要なのかきちんとしたルールを設け、報告の徹底を図りたい」と話している。【板垣博之、久野洋】

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