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2008年10月06日(月) 08時37分

携帯販売、安価な旧機種が売れる“枯れ”期ならではの動きに+D Mobile

 ドコモは706iシリーズ、auとソフトバンクモバイルは安価な旧機種がランキングの上位に入るようになってきた“枯れ”期の9月後半。スマートフォンやJATEの認定を受けた端末など、そろそろ次期モデルの噂も出てきたが、今後、ランキングはどのように変動していくだろうか。

【表:携帯販売ランキング(9月22日〜9月28日)】 【他の画像】

●706iシリーズが上昇傾向、計5機種がランクイン

 9月も終盤、今回のドコモ端末ランキングは順位の変動がかなり少なくなってきた。

 首位は前回と変わらずパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P906i」が獲得。連続首位記録を「18」に伸ばした。

 続いて2位にNEC製の「N906iμ」、3位にシャープ製の「SH906i」、4位に富士通製の「らくらくホンV」、5位にパナソニック モバイル製の「P706iμ」(前回6位)が入った。

 上位の3機種はキャリア総合ランキングでも1位から3位を独占し、相対的な人気はいまだ高い。ただ、夏商戦時はランキングの多くを占めていた906iシリーズはこの3機種以外姿を消し、最近は706iシリーズ(とらくらくホン2機種)が多くランキングを占める状況になった。

 現在、次の冬モデル発表を控えた商戦期の狭間の時期。706iシリーズの躍進はハイエンド指向のユーザーやケータイにこだわる層ではなく、“前のが古くなったから/故障したから買う”、“たまたま行った携帯ショップでデザインが気に入った”、“安かったから”といった、時期による需要増減の波が比較的穏やかな普及層の目に止まったことと、相対的にハイエンド機種の売れ行きが落ち着いてきているためと思われる。

 今回は5位にP706iμ、6位に「N706i」、8位に「SH706i」、9位に「P706ie」入ったほか、8月30日に発売された“amadanaケータイ”の新色モデル「N706iII」も10位に浮上した。

●“枯れ”期ながら順位はやや変動──格安の旧機種が首位に

 au端末の販売ランキングは、顔ぶれこそ大きく変わらないが順位の変動が多く見られた。

 首位は東芝製の「W61T」(前回2位)が獲得。前回まで連続首位記録を「7」まで伸ばしていたシャープ製の「W62SH」(今回2位)を抜き、首位に立った。

 続いて3位にパナソニック モバイル製の「W61P」、4位にソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「W62S」(前回5位)、5位にシャープ製の「URBANO」(前回6位)が入った。

 今回は、前回まで首位を維持していたW62SHを抜き、W61Tが首位を奪ったことに驚かされる。2008年春モデルのW61Tは、8月末に大きく順位を上げたのが記憶に新しいが、今回も月末になって増えた「シンプルコースで0円/1円」とする、“実質タダ”の格安な価格設定が大きく影響していると思われる。

 ただ、思うように新機種がランクインできなかった状況はやや変化しており、今回はW62SH、URBANO、「簡単ケータイ W62PT」(今回7位)、「G'zOne W62CA」(今回8位)、「W64SA」(今回10位)と計5機種の夏モデルが顔を見せるようになった。早くも、これら最新の夏モデルを値下げする店舗をいくつか見かけるようにもなってきたが、このあたりも影響しているだろう。

●安価な旧機種が売れる“枯れ”期ならではの動きに──iPhone 3Gは今回も下落

 ソフトバンクモバイル端末のランキングも、“枯れ”期ならではの動きがやや目立つようになってきた。

 首位は前回と同じくSamsung電子製の「821SC」(前回2位 2008年4月発売)が獲得。連続首位記録を「2」に伸ばし、ソフトバンクモバイル端末で唯一キャリア総合ランキングで9位に入った。

 続いて2位にパナソニック モバイル製の「820P」(前回3位 2007年11月発売)、3位に「iPhone 3G」、4位にシャープ製の「AQUOSケータイ 923SH」、5位に同じくシャープ製の「FULLFACE 2 921SH」が入った。

 前回821SCに首位を奪われ順位を下げたiPhone 3G(16Gバイトモデル)は、安価に販売する820Pにも抜かれ、さらに1つ順位を下げた。商戦期の狭間となる購買需要が減る時期においては、ハイエンド新機種より安価な旧機種が躍進する傾向がある。旧機種の躍進に対するiPhone 3Gの下落はこの傾向を分かりやすく示すものといえそうだ。

 一方、この時期だからこそ実施される値下げにより、かなり安価に端末を購入できる機会も増えている。今回は2008年春モデルの人気機種「920P」がランキングに復活した。ちなみに10月1日に、ソフトバンクモバイルの直販サイト「ソフトバンクオンラインショップ」でも、「921P」「920P」「MIRROR II 824P」「TROPICAL 823P」などの機種が値下げされた。

●1位から3位はデータ通信端末、安価なUSBスティック型が人気上昇

 イー・モバイル端末は、依然、データ通信端末の人気が高い。

 首位は7.2Mbps通信対応USB型の「D02HW」が獲得。続いて2位にUSBスティック型の「D11LC」、3位に7.2Mbps通信対応USBスティック型の「D12LC」が入り、1位から3位までデータ通信端末が占めた。

 一方、音声サービス対応機種は4位に「H11HW」、5位に「H11T」、10位に「EMONSTER lite」がランクインする。

 そして、この音声サービス対応機種は新機種「Touch Diamond(S21HT)」の登場も控える。度重なる施策で販売方式や料金プランが他社よりやや複雑になってきているイー・モバイルだが、2年の継続利用を条件にデータ通信の月額上限が6580円、キャンペーンにより実質100円で購入できると考えると案外どうなのかなと思える価格設定ではある。10月10日(10月3日に予約受け付け開始)に発売されるTouch Diamond(S21HT)は果たして何位に入ってくるだろうか。

※イー・モバイルの端末はまだ機種数が少なく、データ通信端末は別掲するPHS・データ通信端末のランキングと重複する部分もありますが、このランキングは「イー・モバイルの全機種」が対象となります。今後、機種数が増えるに従って対象範囲を調整することも計画しております。なお、イー・モバイル端末はキャリア総合ランキングの対象にも含めてあります。


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