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2008年10月06日(月) 00時41分

昔なつかし噴水型飲料自販機…未来技術遺産に23点読売新聞

 国立科学博物館は、科学技術の発達史上で重要な役割を果たしたり、国民生活や文化などに大きな影響を与えたりした資料を「未来技術遺産」として登録する制度を開始した。

 第1回は、日本人の手による世界初の無線電話機「TYK無線電話機」や、爆発的な人気で普及の契機になった小型電卓「カシオミニ」、初の国産ロケットH2など23点を選定。資料の所有者に9日、登録証が授与される。

 同遺産登録制度は、日本のすべての科学技術を対象に、未来へ引き継ぐべきものを選び、保存状況を定期的に確認するなどして保全をはかっていく。多くは工業製品、技術の記念碑的なものだが、ガラスの器の中で飲料が噴水のように噴き出して購買意欲をそそる噴水型飲料用自動販売機も、自販機普及のさきがけとして選ばれた。

 ◆カシオミニ、VHSビデオ、H2ロケット◆

 「未来技術遺産」に選ばれた23点=〈1〉特別高圧油入変圧器(現存最古の変圧器)〈2〉巡洋戦艦「金剛」搭載ヤーロー式ボイラー(現存最古級の戦艦用ボイラー)〈3〉TYK無線電話機(世界初の無線電話)〈4〉手吹式ガラス円筒(日本最古級の板ガラス用ガラス円筒)〈5〉高柳式テレビジョン 「イ」の字書き雲母板(世界初のブラウン管式テレビの被写体)〈6〉分割陽極マグネトロン(マイクロ波技術への世界的貢献)〈7〉依佐美送信所送信装置一式(ヨーロッパとの電波の架け橋)〈8〉第1号ナイロン紡糸機(日本初のナイロン製造装置)〈9〉国産初期の硬質塩化ビニル管サンプル(最初期の塩ビ管)〈10〉国産大型舶用ディーゼル実験機関(国内初の排気過給機付きディーゼル機関)〈11〉自溶炉図面(銅精錬技術革新)〈12〉空気湿電池〈13〉タービン発電機(戦後初の火力発電用タービン)

 〈14〉大阪大真空管式計算機一式(国内最初期の真空管式電子計算機)〈15〉パイロット計算機(世界に先駆けたマイクロプログラム方式コンピューター)〈16〉噴水型飲料用自動販売機(自販機普及のさきがけ)〈17〉電子式卓上計算機コンペット(世界初のオールトランジスタ電卓)〈18〉喜撰山発電所フランシス形ポンプ水車(世界最大容量だった揚水発電用水車)〈19〉電子式卓上計算機カシオミニ(電卓普及の契機)〈20〉VHS方式家庭用ビデオ(世界標準となったVTR)〈21〉SCARA試作機(世界で定番となった産業用ロボット)〈22〉縮小投影型露光装置(世界を席巻した集積回路の製造装置)〈23〉H2ロケット7号機(初の純国産ロケット)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081006-00000000-yom-sci