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2008年10月05日(日) 23時30分

<ゲートウェイ>流用が常態化 「詐欺だ」800人怒り毎日新聞

 破産申し立て中の留学支援会社大手「ゲートウェイ21」(東京都新宿区)の債権者説明会が5日、東京都内であり、福井伴昌社長は「本当にすみませんでした」と土下座して謝罪した。経営破綻(はたん)後、社長が公の場で発言するのは初めて。社長は「集めた資金をそのまま海外送金すればよかったが、会社が存続できない状態となり手をつけた」と資金流用を認めた。約800人の被害者は「詐欺だ」と厳しく批判した。

 同社は、留学予定者から預かった資金を、専属契約する海外の現地法人を介して留学先やホームステイ先に支払う。このシステム通り送金されれば留学に支障はないが、実際には払われていないケースが相次いでいた。

 会場から「預かり金に手をつけたのか」と追及されると、福井社長は「その通り。そうせざるを得なかった」と認めた。使途は先行してあっせんした他の留学生の費用だけでなく、会社の事務所の家賃や人件費にも及んでいた。さらに「『送金が集中する3、4、8、9月を乗り切れば』と思っていた。昨年もそれで乗り切った」と流用が常態化していたことも認めた。説明会に同席した野間啓弁護士は「昨年6月ごろから資金繰りが厳しくなっていた」と説明した。

 一方で個人的な蓄財など私的流用は否定。「私財を4000万円(会社に)入れた。個人財産は残っていない」と強調した。野間弁護士が「返金は難しい」と話すと、ため息に包まれた。男性が「あなた(社長)を刑事告訴します」と発言すると、一斉に拍手が起こった。

 訪れた被害者が会場(定員約200人)に入りきれず、外の歩道に50メートル以上の列を作った。参加者を入れ替え説明会を2度を開いたが、流用した原因は「全国展開に伴って経費が増え、売り上げが落ちたため」とだけ説明。イタリアで料理人の修業をするため、肉体労働のアルバイトでためた約80万円を支払った埼玉県北川辺町の男性(30)は「答えられなくなると『すみません』で済ます。具体的なことは聞けなかった」とあきれ顔だった。【江畑佳明、町田徳丈】

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