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2008年10月05日(日) 22時16分

<東国原知事>次期衆院選宮崎1区、出馬完全否定せず毎日新聞

 次期衆院選宮崎1区の自民候補として取りざたされている東国原英夫・宮崎県知事(51)の言動に注目が集まっている。5日も記者団の取材やテレビ番組で「今は考えていないが、県民から『宮崎を代表して国で汗をかけ』との声が上がれば意見交換させていただく」などと明言を避け、世論の動向を見守る姿勢を示した。県民からは批判的は声も上がっている。

 東国原知事は午後2時半ごろ、東京でのテレビ番組出演を終え、宮崎空港に戻るなり記者団に囲まれた。出馬をめぐる質問には、「今は考えられない」。だが、最終的な判断時期を問うと「多くの県民から(国政で)汗をかけという意見が把握されるか、把握されないかの時点」と話した。

 その約6時間前、東国原知事は、民放のテレビ番組で、同様に出馬について突っ込まれていた。失言問題で国土交通相を辞任した宮崎1区選出の中山成彬氏(65)=自民=が引退する事態を「非常事態」と表現。「それに対して県を預かる身としてはどうすべきかと考えているだけ。直接出るとか、出ないとかまだ全然考えていないです」と述べた。

 だが、完全否定もしなかった。「県民の皆様が『お前が行け』とおっしゃるなら意見交換させていただきますけど」。さらに「1期をまっとうするというのは自分のマニフェストの中で県民と約束しているので、その辺をどうするかですよね」とも話した。

 宮崎に戻った後、出身地の都城市での後援会主催のパーティーで講演。昨年1月の就任後、知事を一目見ようと県庁舎に連日、観光客が訪れるようになった観光効果などに触れ「県政発展のために裸一貫、体当たりで頑張っている。県民総力戦、私は県民党ですから」と知事職への意欲を語り、締めくくった。

 会場には在京テレビ局など多数の報道陣が詰めかけたが、一切、衆院選出馬には言及しなかった。

 会場で後援会の稲森忍統括事務所長は毎日新聞の取材に「出馬については知事とはまったく話していない。(自民党からの打診も)私は知らない」と述べ、知事の出馬説に否定的。知事の私設秘書も「(自民党関係者とは)上京中も会っていない」と話した。【中尾祐児】

 ◇宮崎県民 やきもき

 この問題に対し、宮崎県民からもさまざまな声が上がっている。

 日南市の高校職員、向井佑介さん(28)は「知事の著書を読む限り、宮崎のために最低でも1期を全うするのが務めとは思う。しかし、中山さんが辞めた今、知事が国政に転身して、宮崎はじめ地方のために尽くすのも一つの道。国会議員になることが宮崎のためにプラスになるのであれば、歓迎すべきことだと思う」と話す。

 一方、都城市の会社社長、山下博明さん(61)は「知事の仕事はスタートしたばかり。宮崎県の名前は売れたが、それを地元経済に反映させるのはこれから。道半ばの状態で、チャンスがあるから国政に、というのはいかがかと思う」と批判的だった。

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