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2008年10月05日(日) 21時52分

<時津風部屋>「前親方の指示」主張へ 兄弟子、7日初公判毎日新聞

 大相撲時津風部屋の力士暴行死事件で、序ノ口力士、斉藤俊さん(当時17歳)=時太山(ときたいざん)=に対する傷害致死の罪に問われた兄弟子3人の初公判が7日、名古屋地裁(芦沢政治裁判長)で開かれる。

 検察側は、暴行がけいこを逸脱した制裁目的だったと主張。3人は起訴事実をおおむね認めるが、「前親方の指示でやった」「けいこで鍛える目的だった」などと主張し、動機面で争うとみられる。3人と分離して公判が開かれる前親方山本順一被告(58)=日本相撲協会が解雇処分=の指示・関与も明らかにされるとみられる。

 初公判が開かれるのは、伊塚雄一郎(25)=序二段・怒濤▽藤居正憲(23)=同・時王丸▽木村正和(25)=幕下・明義豊=の3被告(いずれも無期限出場停止処分中)。

 起訴状によると、3被告は斉藤さんが宿舎(愛知県犬山市)から逃げたことなどに怒って共謀し、07年6月25日午後7時半〜10時過ぎの間、宿舎やけいこ場で、額や腹などを空のビール瓶や拳などで多数回殴るなどしたほか、テッポウ柱に約30分間縛って平手で顔を殴った。また翌26日午前11時〜11時半の間、何度も土俵にたたきつけ、金属バットや木の棒で殴り外傷性ショック死させた。

 3被告はいずれも傷害致死の成立は認める方針。伊塚、木村両被告が関与したとされる26日の30分間の暴行については、前親方の指示で実行し、終わりの指示がなかったため、行き過ぎと思いつつも続けたとの趣旨を主張するとみられる。26日の共謀の成立時期についても、前親方が「胸を貸してやれ」と指示した時に成立したと主張する検察側に対し、兄弟子側は「けいこが行き過ぎだと認識した時」と争う方針。

 前親方の山本被告は傷害致死の罪について否認しているとされ、現在公判前整理手続き中で公判日程は決まっていない。【式守克史】

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