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2008年10月05日(日) 03時03分

経営破綻「アーバン」の情報開示巡り、投資家ら賠償提訴へ読売新聞

 今年8月に2500億円の負債を抱えて、経営破綻(はたん)した不動産会社「アーバンコーポレイション」(広島市)の不適切な情報開示により損失を被ったとして、個人投資家らが月内にも同社役員を相手取って損害賠償を求める集団訴訟を起こす方針を固めた。

 投資家らは4日、東京都内で会合を開いたが、原告数は100人を超え、請求額は数億円になる見通しだ。同社の情報開示を巡っては、金融庁も調査を進めている。

 同社は東証1部上場だったが、8月13日に民事再生法適用を申請、東証は9月14日付で上場を廃止した。

 同社などによると、問題になっているのは、6月26日に開示した転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行に関する情報。同社は臨時報告書や東証のサイトで、仏系金融機関「BNPパリバ」にCBを発行して300億円を調達し、短期借入金の返済に充てると公表していた。

 CBは約2週間後の7月11日に予定通り発行されたが、300億円は債務返済には使われず、スワップ取引と呼ばれる金融派生商品の保証金としてパリバ側に戻されていた。

 この取引では、パリバから300億円を分割で受け取ることになっていたが、アーバンの株価が下落した場合は受取額も減額される仕組みで、実際に経営破綻までにアーバン側が受け取った資金は92億円にとどまった。アーバンは民事再生法適用の申請と同時に臨時報告書を訂正、スワップ取引の契約を結んでいた事実を初めて公表した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081005-00000005-yom-soci