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2008年10月05日(日) 03時03分

時津風事件、初公判で兄弟子暴行認め「親方の指示」主張へ読売新聞

 大相撲・時津風部屋の序ノ口力士だった斉藤俊(たかし)さん(当時17歳)=しこ名・時太山(ときたいざん)=が暴行を受けて死亡した事件で、傷害致死罪に問われた兄弟子3被告の初公判が7日、名古屋地裁で開かれる。

 3被告は、「(暴行は)親方の指示で、逆らえなかった」などと、大筋で起訴事実を認める方針だ。公判が分離された元親方の山本順一被告(58)は調べに対し、「けいこ目的で指示もしていない」と関与を否定している。

 初公判が開かれるのは、いずれも斉藤さんの兄弟子で無期限出場停止中の力士、伊塚雄一郎(25)、藤居正憲(23)、木村正和(25)の3被告。起訴状によると、3被告は山本被告と共謀し、斉藤さんが愛知県犬山市の宿舎から逃げたことに腹を立て、昨年6月25日夜から翌26日昼前にかけて、宿舎やけいこ場で、金属バットで斉藤さんを殴打するなどの暴行を繰り返し、外傷性ショックで死亡させた、としている。

 争点は〈1〉なぜ暴行をしたのか〈2〉親方との共謀がいつ成立したか−−など。

 検察側は、2日間にわたった一連の暴力は制裁的な意味があり、被告らは違法な暴行だと認識していたと主張する。3被告はこの点は争わず、「親方の指示に従ってけいこのつもりで始めたが、徐々に暴行に変わった」などとし、量刑に影響する情状面でくみ取るよう求める方針だ。

 共謀時期について、検察側は、親方が暴行1日目に「教えてやれ」と声をかけた時点とする見通し。弁護側は、一連の暴行が行われる中で、徐々に共謀が成立していったが、3被告は絶対服従の立場で、親方と比べ責任は比較的軽いと強調すると見られる。

 公判は10日まで4日間、連続開廷し、時津風親方(元幕内・時津海)ら7人の証人尋問や被告人質問を終える。山本被告の公判日程は決まっていない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081005-00000004-yom-soci