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2008年10月04日(土) 23時07分

<アリコジャパン>売却先…日生、東京海上が関心毎日新聞

 日本の生命保険3社の売却を決めた米AIGは週明け以降、売却作業を本格化させる。最大の焦点はアリコジャパンの売却先で、日本生命保険や東京海上ホールディングスなどが関心を示している。今後の展開次第では保険業界の大型再編に発展する可能性もある。

 アリコジャパンは日本のAIGの中核生保で、通信販売を活用して業績を伸ばしてきた。08年3月期の保険料等収入は1兆4657億円と国内大手4社に次ぐ規模。営業職員主体の国内生保や代理店を使った損保系生保とは対照的な販売手法だけに、日生や東京海上など複数の大手が「新たな顧客層を開拓できる」とみている。

 問題は1兆円を超すとの見方もある巨額の買収費用。国内勢は保険金不払い問題などで業績が伸び悩んでおり、「資金の確保が難しい」との声も漏れる。資金が豊富な外資系に対抗し、国内勢が連合して買収に名乗りを上げる可能性もある。

 また、アリコは保有するAIG株が急落し、AIGから先月末、907億円の資本注入を受けた。「財務内容が悪化しているのではないか」との懸念も呼んでおり、買収に関心を持つ国内勢も「資産内容を慎重に見極めた上でないと、交渉に乗り出せない」(大手生保幹部)という。

 売却発表を受け、4日はAIGのコールセンターに「契約は大丈夫か」などの問い合わせが相次いだ。AIGは「売却後も契約に影響はない」と説明しているが、売却先が早期に決まらないと契約者の不安が広がり、解約が増える恐れがある。AIGは通常は休みの5日もコールセンターで問い合わせに対応する【辻本貴洋】

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