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2008年10月04日(土) 09時38分

韓国の殺人ネットの恐怖、芸能人相次ぎ自殺 後追いも続発産経新聞

 元巨人投手、趙成●(=王へんに民)(チョ・ソンミン)氏(35)の元妻で韓国のトップ女優、チェ・ジンシルさん(39)の自殺後、韓国内で後追い自殺が相次ぐなど波紋が広がっている。チェさんの自殺はネットでの攻撃が引き金とされるが、実は韓国ではネットの書き込みが原因で芸能人が次々命を絶っている。スターを死に追いやる韓国ネットの実態とは−。

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 「世間はひどすぎる。貸金業なんて関係ないのに、どうして私を苦しめるの」。チェさんは2日未明、母親(60)に涙を流しながらこう訴え、1人浴室にこもると、包帯で首をつって命を絶った。

 韓国メディアは国民的女優の自殺報道一色に染まったが、3日以降、複数の女性が包帯で首をつって自殺し、韓国社会は大きな衝撃を受けている。

 チェさんを苦しめていたのは、「貸金業に手を出し、9月に自殺した男性タレントに25億ウォン(2億1500万円)を貸していた」というネット上の噂だ。「金を回収できず、新たな金づるを紹介した」などと尾ひれがつき、書き込みは膨れ上がるばかり。チェさんは周囲の制止も聞かず、何千もの書き込みを毎晩徹夜でチェックしていたという。

 離婚後、鬱病になり精神安定剤を飲み続けていたというが、噂が出た後は引きこもりがちになり、「人気が落ちる」「死にたい」と友人らに漏らしていた。

 韓国事情に詳しい北海商科大の水野俊平教授は「人気がすべての芸能人にとって、悪質な噂が広まると自分のすべてが否定されたと感じるようだ」と語る。

 ネットの書き込みが原因の自殺はチェさんが初めてではない。昨年、人気歌手のユニさん=当時(25)=と女優のチョン・ダビンさん=同(26)=が、整形をめぐる噂を苦に自殺。3年前にも人気女優のイ・ウンジュさん=同(24)=が自殺している。

 水野教授は、日本よりもメディアの数が限定され、日本のワイドショーのように芸能人のゴシップを取り上げるメディアが韓国に少ない現状を指摘。そのうえで、「既存のメディアで欲求が満たされない分、何かあればネットで検索することが日常化している。その結果、ネット情報が非常に力を持ち、容赦ない書き込みが人を傷つけることもある」と言う。

 チェさんの自殺後も「よくやった」「金貸しの件で警察に呼ばれたから自殺した」といった悪質な書き込みは続いている。政府はネットの書き込み規制を検討しているが、言論の自由を盾に反発が強く、実現していない。

 「私は1人ぼっち、仲間はずれ、息もできない」。自殺後見つかったチェさんの日記には、こうつづられていたという。

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