記事登録
2008年10月03日(金) 00時00分

夫が浮気 改心したが不安読売新聞

 結婚10年目の30歳代主婦。子どもが2人います。

 夫の浮気が発覚しました。もう駄目だと思いましたが、夫が「改心する」と約束したので、離婚は踏みとどまりました。しかし、数か月後、また別の女性と会っていたことがわかりました。それでも「やり直したい」という夫の言葉を信じて許しました。

 夫は、その後は私のことをいろいろ気遣ってくれるようになり、以前とは比べものにならないほどの幸せを感じています。

 けれども、正直言いますと、不安が消えないのです。目の前の夫だけを信じたいのですが、また裏切られるのではないかと怖くなります。過去のことを責めるつもりはありません。不安を口にして嫌な空気にしてしまうのは避けたい。それでも何か隠しているのではと疑いを持ってしまい、自分が嫌になります。

 ふだんは自分なりに楽しみを見つけ前向きに生きていますが、時折襲ってくる不安にどう対処していけばよいのでしょうか。(東京・M子)

 一度つらい思いをすると、また起きるのでは、という不安を感じるものです。あなたは二度もそんな思いを味わってしまったのですね。不安が起きるのは無理もありません。しかし、あなたは今、彼と一緒に家庭を築いていこう、と決心したのですね。あなたも気付いているように不安は幸せを妨害してしまいます。過去を考えるのも未来を不安に思うのも、気分を不快にする原因となります。

 不安に対処するにはどうすればいいかというご相談ですが、一言でいうなら、不安を感じないように、という考え方をやめて「感じた不安を手放す」ことに焦点を当てることが大切です。不安を感じるのは仕方ない。人間が身を守るために持ち合わせた傾向でもあるわけです。でも必要以上の不安は手放すことです。不安を感じたら、それに巻き込まれてあれこれ考えるのをやめ、散歩にでかける、子どもと遊ぶ、音楽を聴く、外出してお茶を飲む、など他の行動に替える習慣をつけるのも役に立つはずです。

 (海原 純子・心療内科医)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20081003-OYT8T00204.htm