記事登録
2008年10月02日(木) 10時24分

橋下知事に賠償命じる=懲戒請求呼び掛け訴訟−広島地裁時事通信

 山口県光市母子殺害事件の被告弁護団に対する懲戒請求をテレビで呼び掛けられ、業務に支障が出たとして、広島弁護士会所属の弁護士4人が、大阪府知事で弁護士の橋下徹氏に一人300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。橋本良成裁判長は一人200万円の賠償を命じた。
 橋本裁判長は、メディアを通じた懲戒請求の呼び掛けについて「不必要な心理的、物理的負担をさせて損害を与えるもので、懲戒制度の趣旨に照らして相当性を欠き、不法行為に当たる」と判断した。
 また、発言の一部について「意見、論評の粋を逸脱している」と指摘。弁護団が被告の弁解として虚偽の事実を作り出した事実はないとして、名誉棄損に当たるとした。
 判決によると、橋下氏は2007年5月に放送された民放のテレビ番組で弁護活動に触れ、「許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてもらいたい」などと発言した。
 原告は足立修一弁護士ら。広島弁護士会は今年2月、4人らを懲戒しない決定をした。
 母子殺害事件で殺人などの罪に問われた元少年(27)は4月、広島高裁の差し戻し控訴審で死刑判決を受け、上告している。
 日弁連によると、橋下氏の発言以来、各地の10弁護士会に、少なくとも約8300件の懲戒請求が出され、これまで懲戒を決めた弁護士会はない。
 橋下氏は「わたしの考え方は間違っていたと判断された。この点は重く受け止めたい」としつつ、「高裁の意見をうかがいたい」として控訴する意向を示した。 

【関連ニュース】
元静岡大生の無期確定へ=2女性殺害事件-最高裁
毎日放送に100万円支払い命令=談合疑惑報道「裏付けない」-神戸地裁
元組長に二審も死刑=ファミレス2人射殺-東京高裁
検察側、改めて死刑求める=畠山被告の控訴審開始-秋田連続児童殺害

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000050-jij-soci