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2008年10月02日(木) 00時00分

女子大生 厳しい母が苦痛読売新聞

 自宅から私大に通う女子大学生。50歳代後半の母のことで相談します。

 母は世話好きですが、かなり厳しい性格で、自分の非も認めません。ここ数年は更年期なのか、ささいなことですぐに怒ります。

 門限は午後10時。夕食を外で食べてくることや、外泊は禁止です。自分の衣類の洗濯と食事の片付けも義務。私は、洗濯や片付けをすること自体に抵抗はないのですが、ため込んだり、やっていなかったりすると、母にどなられます。自分のペースでできないので、ストレスがたまります。

 アルバイトが長引いて午後10時までに帰宅できないこともある、と何度も話しているのに、毎回「こんな時間まで何してる」とメールが来ます。老化のせいか物忘れが激しいのです。本当はサークル活動もしたいし、ほかのアルバイトもしたいのに、母が怖くて何も楽しいことができません。毎日が苦痛です。(宮城・Y子)

 親から解放されたいお年頃ですね。でも、お母さんが口うるさいのは、これまでの親子関係をお互いが引きずっているから。

 ここをなんとかしなければなりませんね。そのためには、親が、あれっ、と驚愕(きょうがく)するほどにあなたが親への振る舞いを変えること。

 それが秘訣(ひけつ)です。

 そう、私が親として衝撃を受け、「もう、子どもじゃないんだ」と悟ったのは、子どもからいたわられた時。配慮された時。感謝された時。自分の生き方についての考えをきっぱりと伝えられた時……。

 「自分の物の洗濯と食後の片付けは義務だから仕方がない」では、まだまだ。ここはもう一歩積極策に出て、家族の役に立つことを試みて驚かせてはいかが。

 そして、「厳しくされるのは親の愛情だと分かっているけれど、信頼してもう少し自由にさせてほしい」と言ってごらんなさい。

 親に対しその勇気を持つこと、それもあなたの自立の一歩、大人になるための大事な修業です。お母さんが怒りっぽいのは、更年期のせいでも老化のせいでもないと思いますよ。さあ、頑張ってください。

 (久田 恵・作家)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20081002-OYT8T00185.htm