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2008年10月02日(木) 17時01分

収支トントンでも清原サマサマ! 引退試合に3万人超夕刊フジ

 本拠地・京セラドーム大阪で1日行われた、オリックス・清原和博内野手(41)の引退式。大入りのファンを前に「オリックスのユニホームを着たことを誇りに思います」と感涙にむせび、自他とも陶酔の一夜となった。球団側も今季最大の懸案を済ませ安堵したが、在籍3年間で支払った年俸総額は5億円(推定)。出場は89試合で、1試合あたり約560万円、1打席190万円弱とメジャー並みの待遇になったが、球団は「プラスαで収支はトントン」と鷹揚。果たして、キヨ様から球団は5億円を回収できたのか。

 プロ23年間で得た年俸は30億円を下らない。今も運転手付きの英国製高級外車(オプション込みで5000万円ともいわれる)で球場入りするなど芸能人顔負けのスターぶりだ。

 この日駆けつけたイチローらに比べれば、スケールは小さいが、オリックスは入団当初から専属広報を付け、2度の左ヒザ手術のリハビリ後は専属のトレーナーも配置するなど、超VIP待遇を続けた。

 「かつてロッテが、名投手・村田兆治さんの復活を援護するなど、他球団でも生え抜きには手厚く擁護した。清原のように西武、巨人を経てきた選手に、そこまでやるかとは思う」とは他球団関係者。

 巨人を追放される形で退団した清原に救いの手を差し伸べたのが、当時監督だった故仰木彬氏、それを容認したのが宮内義彦オーナーだった。

 「仰木さんは、イチローなき後のチームの人気回復に腐心。そこで『男の花道を作ってやる』との名セリフで口説いた。宮内オーナーも、球界の盟主を自任する巨人が見放した名選手を庇護した…との殿様気分もないとはいえない」(球界関係者)

 グラウンド内外のトップが採算を度外視し、清原のネームバリューに飛びついた側面は十分ある。

 「清原入団の初年度(2006年)は主催68試合で139万余と上々の動員。グッズの売り上げやマスコミの登場回数などで、年俸分(2億円)は十分回収できた。ところが、2年目はケガでサッパリ。チームの不振もあるが、『清原がいないんじゃ』で、動員は前年比18%減。グッズ関連もガタ減り。オフには本人が大減俸(1億円)を飲んだが、大赤字です」(球団幹部)

 今年も中盤まで観客動員が伸び悩んだが、清原復帰が取り上げられるようになった7月以降は、チームも上昇機運に乗った。

 「清原グッズが7月あたりから、昨年の3倍以上の伸び。8月3日の1軍復帰以降は、観客も1試合につき2000〜3000人増。引退試合の3万175人を加えて130万人を突破。効果は数億円と見込まれます」(営業担当者)

 現場もキヨ様効果を認めざるを得ない。「彼がベンチに入ってから成績が伸びた。その結果は事実ですね」と大石監督。ローズ、北川らも「キヨさんはベンチで常に声を出して、われわれを励ましてくれた。クライマックスシリーズに進出できたのも清原さんのおかげです」。

 チームは9年ぶりのAクラス。その一翼を担った番長はこの日の式典で、CSに出場しないことを明言。任意引退扱いとなり、球界復帰を目指してしばらくは充電するという。(夕刊フジ編集委員・高塚広司)

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