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2008年10月01日(水) 12時14分

<個室ビデオ店火災>狭い部屋、廊下…客から危険性指摘の声毎日新聞

 火災で15人の犠牲を出した大阪・ミナミの「キャッツなんば店」は、DVDなどが陳列されるスペースの奥に扉一つを隔てて、個室32室が並ぶ構造。部屋の広さは1〜2畳程度。簡易ベッドが置かれ、奥にテレビがある。また部屋の外にある廊下は人が1人通ることができるくらいの幅。段ボールの荷物が置いてあることもあり、普段でも通行が困難だという。かつて利用したことのある客らからは危険性を指摘する声が相次いだ。

 数回利用したことがあるという男性は「(個室のスペースからの)出口は1カ所しかない。手前で火事があったら奥の人は逃げられない構造だ」と言う。系列店でバイトしていたことのある大阪市浪速区の男性会社員(31)は「廊下は狭く薄暗い。また廊下の幅も、2人がすれ違うにはよけあうのが必要なぐらいなのに、ジュースの段ボールが積んであった。火事が起きたら逃げるのは難しい」と話した。

 料金は60分500円。ホテル代わりに利用する人も多い。東大阪市の会社員の男性(37)は「ネットカフェの個室より少し広い。個室なので騒ぎの声とかは聞こえない。仮眠する人も多かった」。たばこの火を懸念する声も聞かれた。大阪市都島区の会社経営の男性(36)は「禁煙と喫煙の部屋が分かれていて、喫煙の部屋の方が多い。天井まで完全に部屋が仕切られており、禁煙の部屋でたばこを吸っても、煙の探知機が作動しなかった」。近くのマンガ喫茶をよく利用する男性(50)は「別のネットカフェを利用した時に客の寝たばこで火災報知器が鳴ったことがあり、いつ火事が起きてもおかしくないと思っていた」と話した。

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