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2008年09月30日(火) 00時01分

<麻生首相>所信表明 ヤジと歓声交錯 毎日新聞

 衆院本会議場。首相の麻生太郎が演壇に立ったのは、午後2時20分ごろだった。

 冒頭で中山成彬前国土交通相による舌禍をわびた後、麻生は「あまり前例のない所信表明演説」(細田博之自民党幹事長)を始めた。「民主党に要請します」「民主党にうかがいます」。麻生は小沢民主党への批判、疑問を随所にちりばめ、挑発した。

 議場は野党側の怒号とヤジ、与党側の歓声と拍手で演説が聞き取れないほどだった。途中、議院運営委の野党側理事らが議長席のわきに何度も駆け寄り、「行政府の長が国会運営について注文をつけるなんて、三権分立が分かっていない」などと抗議した。

 麻生から見て左側後方に陣取っている民主党代表の小沢一郎は、ほとんど目を閉じたまま。机の上に置いていた演説の原稿を読むことなく、議場を出た。

 参院本会議での演説時も、野党席からは「代表質問じゃないんだぞ」「所信を言え、所信を」とヤジが引きも切らなかった。

 予想された通り、野党は徹底して麻生演説をこき下ろした。

 民主党の川端達夫副代表「いかに野党の練習をしているとはいえ、(民主党に)代表質問で答えろとは何事か」

 共産党の志位和夫委員長「所信表明は特定の野党に質問する場じゃない。まともな国会ルールを壊す」

 社民党の福島瑞穂党首「国民とか少数野党が眼中にないということに怒りを感じた」

 国民新党の亀井久興幹事長「自民党総裁としての選挙演説のように聞こえた」

 この日は召集日から5日遅れで臨時国会の開会式が開かれた。式終了後、院内の廊下で細田に出くわした首相補佐官の中山恭子が頭を下げた。「いろいろとお騒がせして申しわけありません」。前国交相の妻としての謝罪だった。(敬称略)

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