１９８１年の米ロサンゼルス銃撃事件でサイパンに拘置中の元会社社長・三浦和義容疑者（６１）＝日本では無罪確定＝の弁護側は２９日、サイパンを管轄する米連邦地裁に人身保護請求の取り下げを表明、地裁のマンソン判事はこれを承認した。サイパンで逮捕・拘束をされてから７か月。三浦元社長の身柄は近くロサンゼルスに移送されることが決まった。
これまで逮捕の不当性を主張してきた三浦元社長は、連邦地裁に出廷する直前、弁護人に「今は、（ロスを管轄する）カリフォルニア（州）に行くときだ」と語り、移送に同意した。ロス郡地裁が逮捕状容疑のうち殺人の共謀容疑について有効と判断したことを受け、方針を変えたとみられ、身柄釈放へ向け、法廷闘争を続ける決意を語ったという。
今後は、ロス市警の捜査官がサイパン入りする予定だが、移送手段には「日本経由でのロス入り」「米軍用機の使用」「チャーター便の使用」など複数の案が浮上。９月中旬にサイパン地裁の身柄送致命令を受け、ロス市警はグアム・ホノルル経由の民間航空便で約２０時間かけて移送を実施する予定だった。今回も警備上の理由やコスト面から民間機を使い、他国を経由せずにロスに移送される見通し。
三浦元社長はロス地裁の決定が判明した２７日に、日本の裁判を担当した弘中惇一郎弁護士から「気を落とすな」と声をかけられると「そうは言っても落とします」とショックを受けていたという。ただ、この日、サイパンの連邦地裁に出廷した三浦元社長はサバサバ。審理を終えると、弁護人のバーライン氏に「サンキュー」と声をかけ、握手を交わしていた。
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