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2008年09月30日(火) 17時01分

もうひとつの「ポニョ」歌う、小麦色の美人声楽家とは夕刊フジ

 ロングランでヒット中の映画「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)。藤岡藤巻と大橋のぞみが歌うエンディングのかわいい主題歌とは別に、もうひとつの主題歌が注目を集めている。オープニングテーマ曲の「海のおかあさん」。歌うのはジュネーブ在住の美人声楽家、林正子だ。

 「いままでになかった子供のための海の音楽がほしい、とうかがいました。母への思慕をこめて、言葉がはっきりと伝わるように歌いました」

 宮崎アニメの音楽を手がける久石譲氏のコンサートにゲスト出演したのが縁で昨年4月、曲を受け取った。「レコーディングでは自由に泳がせてくれました」

 東京生まれ。東京芸大大学院を出て、いまはヨーロッパを中心にオペラの第一線で活躍している。インタビューをしたときは、石垣島でバカンスを過ごしシュノーケリングなどをして小麦色に焼けていた。

 「声楽家らしくないですか(笑)。芸大へは練馬の自宅からマウンテンバイクで通っていました。茗荷谷は“谷”で白山は“山”なのだと実感できましたよ」

 自然児のにおいが、ポニョに不思議とリンクする。

 ジュネーブ暮らしは8年目。「旧市街の石畳や大聖堂の鐘の音が自分に染みこんでくれば、オペラの主人公たちの気持ちもわかるかな、という思いです」

 そうかと思えば、意外な顔もある。2年前に立川直樹氏のプロデュースで、英国ロックを歌った異色アルバム「FANTASMA VolII」を出して話題を呼んだ。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」やレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を熱唱する。

 「オペラの人がロックに挑戦する先駆けになりたかった。それまでクイーンを知らなかったんですが、フレディー・マーキュリーの才能はすごい。何で今まで聴かなかったのかと。合唱部分はフレディーと同様に自分の声で重ね録りして、その迫力に新たな発見がありました」

 ジャンル、国境、ボーダレスに活躍する中で、宮崎アニメに参加できた喜びを改めて口にした。

 「ヨーロッパのどこのDVDショップに行っても宮崎監督のコーナーに、かなりのスペースがさかれています。スイスでも、みんなが名前を知っている。10年経っても世界のどこかで、私の主題歌を聴いてくれる方がいると思うと、寂しくないな、と思うんです」

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