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2008年09月30日(火) 17時01分

「10・8」なら地上波生中継! 原、奇跡のV舞い夕刊フジ

 こうなったら「10・8」に奇跡を!! 読売グループの日本テレビは急遽、10月8日に東京ドームで行われる巨人Vs阪神戦の地上波生中継を決めた。もし、ここで優勝が決まるようなら放送時間を延長して原監督の胴上げまで伝える。ところが、1日ずれ込めば翌9日はサッカー日本代表のUAE戦が入っており、番組の差し替えは不可能。昨季も巨人優勝の瞬間は生中継されなかったが、Xデーの悲劇は繰り返されるのか。

 日本テレビの久保伸太郎社長は29日の定例会見で、10月8日に東京ドームで行われる今季最後の巨人−阪神戦について「地上波で(テレビ生中継)できるように、さまざまな作業に入った」と明らかにした。

 もともと中継はBS日テレのみの予定だったが、この日まで優勝が決まっていない場合、特番「日本史サスペンス劇場スペシャル」と差し替えてGT最終決戦をお茶の間に届ける。さらに「勝って巨人の優勝が決まったら、監督の胴上げまで全部放送する」と“無制限延長”までぶちあげた。

 昨季の扱いとは雲泥の差だ。昨年は10月2日のヤクルト戦で巨人が5年ぶりの優勝をサヨナラ勝ちで劇的に決めたが、日テレ地上波はこの試合の生中継を一切見送り。午後7時から当初の予定通りバラエティー番組「踊る! さんま御殿!!」の2時間半特番を放送した。

 優勝が決まると「巨人が5年ぶりにセ・リーグ優勝」というテロップを出し、画面隅に歓喜の模様がVTRで流れた。その後、10分間だけ番組を中断し、胴上げシーンや原監督のインタビューを届けたが、日テレには翌朝までに「なぜ生中継しない」などの苦情が1000件も殺到した。

 打って変わった大盤振る舞いについて、久保社長は「GT伝統の一戦でここまで盛り上がって、32年ぶりというのも念頭にあります」と話し、「GTだと(スポンサーなど各方面に)納得してもらいやすい」とも。

 ところが、これが1日ズレると大違い。翌10月9日は東京ドームでの横浜戦だが、この日は「キリンチャレンジカップ2008」のUAE戦が午後7時20分にキックオフ。これを中継するのが日テレだ。

 「サッカーは動かせない。冠スポンサーもいるし、JFA(日本サッカー協会)がパッケージ売りしたもの」と久保社長。

 近年は不人気がささやかれる日本代表戦で、しかも単なる親善試合を「放映権料1億2000万−1億5000万円」(関係者)も払って中継するのは、この“抱き合わせ販売”ゆえ。この試合を地上波でしっかり生中継しないと、今後のW杯予選など重要な試合の放映権も得られないのだ。

 優勝が決まるXデーが、1日違うだけでまさに天国と地獄。さらに、10、11日は神宮球場でのヤクルト戦だが、放映権を持つフジテレビは「地上波でやる予定はない」。

 つまり、地上波で原監督の胴上げの瞬間をナマで見るには、今のところ「10・8」しかないワケだ。

 「10・8」といえば、1994年の10月8日、巨人と中日の間で、「勝った方が優勝」という球史に残る決戦が行われた日だ。当時の巨人・長嶋監督が「国民的行事」と称した通り、フジテレビが完全中継した試合は、関東地区で48.8%(ビデオリサーチ調べ)というプロ野球史上最高の視聴率を記録した。

 さすがに14年前のお化け視聴率の再現は不可能だが、「できれば10・8に奇跡を−」というのが、日テレ、そして巨人関係者の切なる願い。原監督が宙に舞うか、思惑が宙に浮くか。もちろん、「10・8」が岡田阪神のXデーになる可能性も十二分にあるのだが。

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