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2008年09月30日(火) 17時24分

銀座に大阪発のビーフヘレカツサンド専門店−三代目が東京初出店銀座経済新聞

 大阪発のビーフヘレカツサンド専門店「グリル梵(ぼん) 銀座店」(中央区銀座7、TEL 03-5565-3386)が9月1日、新橋演舞場近くにオープンした。

 オーナーシェフを務める二井靖之さんは大阪出身、現在40歳。料理人だった祖父・清さんが1961年に開業した大阪・新世界の老舗洋食屋「グリル梵」は父・利治さんが受け継ぎ、現在も現役で腕を振るう。学生時代には同店でアルバイトをしていたこともあり、料理に携わっていたという二井さん。2006年、祖父の時代から続く洋食屋の名物料理「カツサンド」の専門店を大阪・堂島に出店。それまで勤めていた建設会社を退職し、三代目としての道を自ら選んだ。

 堂島店では会社員や仕事帰りのOL、近隣の「飲み屋街」である新地の飲食店からの注文などで繁盛し、「十分な手応えを感じた」(二井さん)。その後、「カツサンドと言えば『豚肉』と認識される東京の地で、牛肉のカツサンドを大阪価格で提供したい」と東京への出店を決意、知人の紹介で出会ったホテルオークラの日本料理屋で働いていた小林彰さんを右腕に、「豚社会への挑戦」(二井さん)が始まった。

 店舗面積は10坪、カウンター7席のみという店内は、白を基調とした木のぬくもりを感じる「こじんまりとした」空間。「お盆の4日間で、自分たちで作った」(同)という手づくり感がやさしく清潔感のある空間を演出する。カウンター越しで調理する二井さんと小林さんは「『ありがとう』や『おいしっかた』などお客さまの反応がすぐに分かるのはうれしい」と話す。

 提供メニューは、厳選した赤身のヒレ肉と新世界の本店で炊かれる秘伝のタレとパンの調和が楽しめる「極上ビーフヘレカツサンド」(1人前=2,000円、ハーフサイズ=1,000円)。大阪弁で「ヘレ」は「フィレ」を意味し、本店で使わるメニュー名をそのまま起用した。二井さんは「夜中でも食べられる『あっさり』したカツサンドは冷えてもおいしい」と太鼓判を押す。ランチ時には同価格でコーヒーが付くサービスも。

 ドリンクメニューは、生ビール(600円)、フランスやチリのオーガニックワイン(グラス=500円、ボトル=3,000円〜)、南米アマゾン川流域で成育したガラナの実を抽出したエキスとアップル香料を付加したビール風発泡炭酸飲料「ダイヤモンドガラナ」(450円)など。

 オープン後の客層は地元の人や近隣の会社員、歌舞伎鑑賞者などですでにリピーターも多いという。二井さんは「チェーン店化などは考えていない。関東で牛ヘレカツサンドを広め、梵の名前を残し、のれんを守っていきたい」と今後の抱負を語る。

 営業時間は11時30分〜23時(土曜は21時まで)。日曜・祝日定休。

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