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2008年09月29日(月) 15時00分

【麻生首相所信表明演説】(8)誇りと活力ある外交・国際貢献産経新聞

 次に、外交について、わたしが原則とするところを、申し述べます。

■写真で見る■所信表明演説の前に「国民にお詫びする」と頭を下げる麻生太郎首相

 日米同盟の強化。これが常に、第1であります。以下、順序を付けにくいのをお断りした上で、隣国である中国・韓国やロシアをはじめアジア・太平洋の諸国とともに地域の安定と繁栄を築き、共に伸びていく。これが、第2です。

 人類が直面する地球規模の課題、テロ、温暖化、貧困、水問題などに取り組む。第3です。

 わが国が信奉するかけがえのない価値が、若い民主主義諸国に根づいていくよう助力を惜しまない。第4です。

 そして第5に、北朝鮮への対応です。朝鮮半島の安定化を心がけながら、拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化を図るべく、北朝鮮側の行動を求めてまいります。すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現を図ります。

 以上を踏まえて、民主党に伺います。

 今後日本の外交は、日米同盟から国連に軸足を移すといった発言が、民主党の幹部諸氏から聞こえてまいります。わたしは、日本国と日本国民の安寧にとって、日米同盟は、今日いささかもその重要性を失わないと考えます。事が国家・世界の安全保障にかかわる場合、現在の国連は、少数国の方針で左右され得るなど、国運をそのまま委ね得る状況ではありません。

 日米同盟と、国連と。両者をどう優先劣後させようとしているか。民主党には、日本国民と世界に対し、明確にする責任があると存じます。論拠とともに伺いたいと存じます。

 第2に伺います。海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動を、わたしは、わが国が、わが国の国益をかけ、わが国自身のためにしてきたものと考えてきました。テロとの闘いは、まだ到底出口が見えてまいりません。尊い犠牲を出しながら、幾多の国々はアフガニスタンへのかかわりを、むしろ増やそうとしております。この時に当たって、国際社会の一員たる日本が、活動から手を引く選択はあり得ません。

 民主党は、それでもいいと考えるのでしょうか。見解を問うものであります。

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