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2008年09月28日(日) 19時22分

国交相辞任 麻生太郎首相ぶらさがり会見詳報産経新聞

 麻生太郎首相は28日、中山成彬国土交通相が失言を繰り返し、辞任したことに関して「発言として甚だ不適切」と厳しく批判した上で関係者らに対して陳謝した。

 「まず中山成彬(なりあき)大臣の辞任につきまして一言申し上げたいと存じます。発言として甚だ不適切。大変残念ですけれども、関係しておられた国民各位、またそれに関係しておられた方々に対して心からおわびを申し上げる次第です。必然的に辞めていただきました。後任につきましては金子一義先生というのをあてさせていただきました。この人事は少なくとも、一般財源、道路の一般財源化というのを閣議で決定しておりますけど、これを現実にしていくというのに関しましては、税というものに対して詳しい方でないと適正…。なかなか対応がしにくいという感じが思いましたので、金子一義先生を選任をさせていただいたというのが経緯です。いろいろ関係されておられた方々いらっしゃいますけど、心からおわびを申し上げる次第です」

 ——5日目で大臣が辞任するというのは異常な事態だと思うが、首相は客観的に見てこの事態は異常な事態と思うか

 「甚だ、甚だ残念だと思いますし、この種の発言は普通閣僚になられたらされない種類の発言だと思っています。それが発言をされたというのは政治家としての気持ちと閣僚としての立場というのは、政治家と閣僚、同じ政治家とはいえ重さが違うと思いますんで、こういうのは普通発言をされる種類の発言、言葉ではない。私はそう思います」

 ——首相は就任会見の時に人事は適材適所だと言っていたが、確信犯的に答えたと述べるような方が適材だったと思うか

 「はい。あの、この方を指名した段階においては私は適任だったと思います。少なくともこの種の発言は、普通官僚の経験がある人もされないはずです。それが普通だと思いますが、そう言った意味ではされたというのは私は甚だ残念だと思っております」

 ——野党は首相の任命責任を追及する構えを見せているが、任命責任は…

 「その点に関しましては任命責任はあったということだと思います」

 ——任命責任は認めるのか

 「はい」

 ——国民に対して信頼を損なったと思うが、どのようにして信頼を回復するか

 「後任の方々を直ちに選任し、そしてその方がきちんと対応していただく。地道な努力が必要だと思います」

 ——今後の仕事ぶりでと

 「当然です。役人をたくさん集めて、その上で仕事をするわけですから、役人をきちんと正しく使いこなして仕事していく。それが国民の代表として、選良として、その長に座った人間が務めるんだと思います」

 ——公明党の北側一雄幹事長は解散の時期について、早期に解散すべきだと言っていたが、首相は

 「解散の時期につきましては、私は今の段階でまずは補正予算の審議、これが一番、政治の急はこれだと思っていますので、予算案の成立を期す。まずはこれからだと思っていますので」

 ——冒頭、所信表明演説とか代表質問直後の解散はないということでしょうか

 「テレビはさかんにそういっておられますがね。新聞さんも。そういった発言が政府から出たことはないと思っていますが」

 ——今回、任命責任を問う形で補正予算案の審議がなかなか行われない場合はどうするか

 「あの、仮定の質問はなかなかお答えがしにくい、正直なところ」

〔写真:厳しい表情で記者の質問に応じる麻生太郎首相=28日午後5時42分、東京・永田町の首相官邸〕

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