記事登録
2008年09月28日(日) 22時58分

<米国>金融安定化法案が大筋合意…公的資金75兆円投入へ毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】ポールソン米財務長官とペロシ下院議長ら議会幹部は28日未明に会見し、難航していた金融安定化法案に大筋合意したと発表した。最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金を投入し、金融機関から不良資産を買い取る。買い取りを監視する機関の設立や、対象金融機関の役員報酬の制限を盛り込んだ。詳細を詰めたうえで28日中に正式発表する見通し。

 今回の合意により、1930年代の大恐慌以来と言われる金融市場の混乱はひとまず収束するものと見られる。ただ、公的資金の当初投入額は3500億ドルにとどめ、以後、状況次第で段階的に追加する。効果が限定的なものにとどまる可能性もある。

 金融機関は不良資産を買い取ってもらう際に、政府に新株取得権を提供する。金融機関の経営が改善し、株価が値上がりすれば国民負担を圧縮できる。また、買い取った資産の価格が5年程度たっても回復しない場合、政府が金融機関から補てんを求める仕組みなども検討されている。

 ペロシ下院議長は「大きな前進があった」と評価、ポールソン長官も「ついに合意した。市場で有効に機能する法案だ」と語った。

 政府が買い取る不良資産は、資産価値が大幅に目減りした住宅ローン担保証券(MBS)など低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の証券化商品などが中心となる。

【関連ニュース】
米金融安定化法案:週明け結論へ大詰めの協議続く
米金融安定化法案:合意に向けぎりぎりの折衝 超党派会合
バーナンキ議長:景気の大幅減速に改めて強い危機感表明
全銀協会長:「ヤマ越えるか分からない」米の金融安定化策
金融庁:日本は公的支援の必要なし

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080928-00000084-mai-bus_all