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2008年09月28日(日) 16時01分

選挙:衆院選 中山氏発言「持論なので仕方ない」 自民県連、現職公認へ /宮崎毎日新聞

 ◇影響否定、現職公認へ
 次期衆院選以降の候補者選びに公募制の導入を決めた自民党宮崎県連は27日、選考委員会を開き、「時間的余裕がない」などとして県内3選挙区とも現職優先を議決し、公募を見送った。県連は近く中山成彬・国交相ら自民現職3氏を党本部に公認申請する。中山氏の日教組などへの問題発言については、党員から「本人が昔から繰り返している持論だ」と選挙への影響を否定する声が聞かれた。【中尾祐児、小原擁】
 選考委員会には県連役員ら約140人の委員が出席。1〜3区ごとに記名投票した結果、各区とも現職公認の賛成票が、規定で定める「投票総数の3分の2以上」を占めたため、公募を見送った。1区は中山氏、2区は江藤拓氏、3区は古川禎久氏に決まった。
 会合の冒頭で中山国交相は次期衆院選に向けての決意を語った。問題発言については「単一民族」「成田闘争『ごね得』」発言は「配慮が行き届かなかった」と謝罪した。だが、日教組については「解体する。小泉さん流にいえば『日教組をぶっこわす』」と対決姿勢を鮮明にした。
 約10分間のあいさつ中、会場からヤジが飛ぶなどの混乱はなく、最後は拍手がわいた。ある自民県議は「発言は中山さんの自己責任だけど、マスコミも騒ぎすぎだ」と語った。
 「今朝、本人から『迷惑を掛けた』と携帯電話で謝罪された」という緒嶋雅晃・県連会長は「問題発言の内容は持論だから言うのは仕方がない。でも宮崎の道路整備のために大臣は辞めないでほしい」と言葉少なだった。
 一方、会合の冒頭で2区の江藤氏は「実現、実行できる夢しか政治家は語ってはいけない。民主党の小沢氏は農産物は自由化すべきとも言っていた。恐ろしくてならない。自由化したら元に戻らない。私は国の形を守りたい」と語った。3区の古川氏は「自民党は今がけっぷちに立っている。けれども地方を大事にする麻生さんが首相に選出された。皆さんの気持ちを政策、予算という形に変えたい」と決意を述べた。
 ◇中山氏発言要旨
 中山成彬・国交相が自民党県連の会合から退席した後、会場前で記者団と交わされた主な問答は以下の通り。
 ——先ほどの会合での日教組発言については?
中山 日本の教育のがんが日教組だと思っている。日教組をぶっこわす決意を示した。
 ——「日教組が強い所は成績が悪い」という発言は撤回されたのか?
 撤回はしてません。調べてみれば分かりますから。調べてもらいたい。
 ——日教組の部分は謝罪もしていない?
 ……。(うんうんとうなずく)。
 ——会合の冒頭、県連会長から問題発言についての苦言があったが?
 私の失言というのかな、舌足らずというか。言葉は大事ですから、言葉狩りに合わないように十分に気を付けんといかんと思いますね。
 ——言葉狩りという側面があると?
 まあね。言葉尻というのかな。取材の際は、ずっと話をしていたんだが、ちょっとはしょったというか、時間がない中で十分に真意が伝わらず、申し訳なかったなと。この件は謝罪した。
 ——確認ですが、問題の三つの発言のうち、日教組の学力の問題については撤回しないのか?
 学力の問題だけじゃなくてね。日教組全員、いや全部じゃないですよ、中には一生懸命子供たちを教えたり、政治活動に無関心な人もいる。でも極めて先鋭で過激な人がいる。この人たちが日本の教育をぶっこわしている。私が文部科学大臣の時にも行けなかったところがある。それぐらい強いところもある。
 ——辞職しないという考えは変わらない?
 国会審議などに影響があるとなれば、地位に汲々(きゅうきゅう)としているわけではありませんが、地方に必要な道路作りはやりたい。やっていかなあかん、という思いがある。
 ——進退を含めて検討するお考えか?
 絶対やめないと言ってしがみつくつもりはない。推移を見守りたい。
 ——発言に関する麻生首相への説明は?
 全くしてない。
 ——麻生首相から進退のことで何か要望はなかったか?
 特にない。全くない。

9月28日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080928-00000159-mailo-l45