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2008年09月28日(日) 13時50分

【国交相辞任】「一体何だったのか」省内に脱力感産経新聞

 国土交通省で行われた中山成彬大臣の辞任会見。中山氏は「日教組に関する発言は失言とは思っていない」と言い切り、自らが引き起こした騒動について「教育や子供たちの未来に国民が関心を持つきっかけになればいいと思っている」と述べるなど、辞任会見を日教組への批判と教育への思いで締めくくった。国交相としての職責より政治家としての信条を優先させ、騒動だけを残して去った大臣に国交省内からは「一体何だったのか」との声も上がった。

 午前10時半から始まった辞任会見で、中山氏は冒頭から「たくさんの方から『よく言ってくれた』『頑張れ』と山のようなメールをもらった」などと述べ、日教組に関する発言が国民の支持を得ていることを強調。そのうえで、自らの発言が臨時国会の審議と次期総選挙に影響を及ぼすことを懸念して辞任することを明らかにした。

 この日の会見では国土交通大臣の職責に関しては地方の道路整備の必要性を述べる程度にとどまり、ほとんどは教育問題に終始。「国土交通大臣としての仕事もしたかったが、何が今の日本をだめにしているのかを伝えることも政治家の務め」と中山氏。しかし、国交省職員からは「一体何をしに来たのか」「こんな大臣の下では働きたくない。辞めてもらってよかった」との声も。

 会見に同席し中山氏を見送った春田謙事務次官は「短期間で辞任されたことは大変残念に思っている。国会をひかえており、行政への影響が出ないよう努力していく」とだけ話した。

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