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2008年09月28日(日) 02時45分

中山国交相きょう辞任 「日教組解体」「ゴネ得」発言 衆院選への影響必至産経新聞

 中山成彬国土交通相は27日夜、成田空港反対派住民を「ゴネ得」と批判するなどの失言の責任を取り、辞任する意向を麻生太郎首相に伝えた。28日午前、正式に辞意を表明し、辞任する。「ゴネ得」発言に対し民主党など野党が辞任要求を強める中、中山氏は27日午後、地元・宮崎市で開かれた会合でも「日教組を解体する」と発言し、政府・与党でも辞任を求める声が強まっていた。


 中山氏の「ゴネ得」発言により、内閣支持率が50%前後と伸び悩む麻生新政権への打撃は避けられない。ただ、補正予算案の審議に入れば、野党の攻勢を受けることは確実で、与党執行部では、このままずるずると支持率が低迷するならば、早期に解散を打ち、10月21日公示、11月2日投開票を予定する次期衆院選に向け、態勢を立て直した方が得策との判断に傾いている。


 中山氏もこのような情勢を勘案し、自らが辞任することで事態の悪化を最小限にとどめようと判断したとみられる。


 中山氏は25日の報道各社のインタビューで住民の反対で成田空港の拡張が進まなかったことを挙げ、反対派住民を「ゴネ得」と批判。また、教育行政の正常化を手がけた元文部科学相の立場で「大分県教育委員会の体たらくなんて日教組(が原因)だ。日教組の子供なんて成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低い」と発言した。


 中山氏は27日午後、地元・宮崎市で開かれた自民党宮崎県連の会合で「日教組は過激な性教育を行い、国旗・国歌も教えず、道徳教育にも反対している。民主党の最大の支持母体である日教組を解体する。ぶっ壊す」と述べ、日教組と全面対決していく考えを強調した。


 さらに会合後、記者団に「日教組は日本の教育の『がん』だ」と語り、開き直ったかのように日教組批判を繰り返した。


 これに対し、野党側は「非常に不見識な軽率な偏った発言だ。国務大臣としての資質と見識を問われる。国交相の責任は任命権者の責任とイコールだ」(小沢一郎民主党代表)などと中山氏だけでなく麻生首相の任命責任を追及する姿勢をみせていた。


 一方、与党内からも「本当に不適切極まりない。とんでもない発言だ」(山口那津男公明党政調会長)との厳しい批判が出ていたほか、自民党幹部も「中山氏は宮崎での発言で、開き直った印象を与えた。辞めざるを得ない」と中山氏を突き放していた。


 中山氏は27日の会合後、「(ポストに)きゅうきゅうとしているわけではないが、地方の道路整備などはやりたい。推移を見守りたい」と語り、辞任を否定していたが、同日夜に東京に戻った際、羽田空港で「自分の出処進退は自分で決める。今晩、女房(中山恭子首相補佐官)と2人でゆっくり相談する」と述べ、辞任を示唆していた。


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