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2008年09月28日(日) 02時31分

<三浦元社長>白石さん事件も再捜査 殺人容疑で米ロス当局毎日新聞

 【ロサンゼルス吉富裕倫】81年のロス銃撃事件で今年2月に米自治領サイパンで逮捕された元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(61)について、米ロサンゼルスの捜査当局が、79年に変死体で発見された白石千鶴子さん(当時34歳)事件についても殺人容疑で再捜査していることが分かった。捜査関係者が「元社長をめぐる事件全体を再捜査する中で、白石さんの事件についても捜査している」と明らかにした。

 白石さんは79年に渡米後、行方不明になった。この年ロサンゼルス郊外で女性の変死体が発見されたが、84年、歯型鑑定から白石さんと確認された。三浦元社長は、当時白石さんと交際中だったとされ、死後に白石さんの口座から426万円を引き出していたことが判明している。三浦元社長は、白石さんと重なる時期に渡米していたが、事件への関与は否定し、日米いずれの捜査当局からも立件されなかった。

 日本の刑法では殺人罪の公訴時効(当時15年)が成立しているが、カリフォルニア州に殺人罪の時効はない。ただ、捜査関係者は、新証拠の有無や訴追の可能性については明らかにしなかった。

 三浦元社長は、ロス銃撃事件の逮捕状無効の申し立てをロサンゼルス郡地裁に起こしていたが、26日(現地時間)、同地裁は殺人容疑の逮捕状を無効、殺人の共謀罪での訴追を有効とする決定を出した。このため、元社長は、現在拘置されているサイパンからロサンゼルスへ移送される見通しが強まっている。

 【ことば】白石千鶴子さん変死事件 三浦和義元社長の元交際相手だった白石千鶴子さん(当時34歳)が79年3月、米国・ロサンゼルス入りした直後から行方不明になり、母親が捜索願を提出した83年に捜査が始まった。ロス市警は84年、歯型のX線写真から79年5月にロス市中心部から北西約35キロの荒れ地で発見された変死体を千鶴子さんと断定した。「ロス疑惑」の一つとして日米当局が捜査したが立件できなかった。

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