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2008年09月27日(土) 16時46分

和歌山独自の品種続々 県暖地園芸センター(和歌山)紀伊民報

 農家の所得向上と栽培面積の拡大につなげようと、県暖地園芸センター(御坊市)は、4年前から野菜や花の県オリジナル品種の登録と出願に力を入れている。これまでに全国で有数の生産量を誇るスターチスやエンドウ、スイートピー、バラで計8品種を登録し、県内の農家に広めている。同センターは「今後もニーズにあった県独自の品種を開発していく」と話している。
 苗の価格には種苗メーカーへの権利料が含まれており、特にバラやスターチスなどが高いという。県が新品種を開発することで権利料が安くなり、病気に強いものや収量の多いもの、つぼみが落ちにくいもの、独自の色形など、農家の要望や消費者のニーズに応えられる。
 日本一の生産量を誇るスターチスは、県内で203農家(約50ヘクタール)が栽培している県特産品の一つ。今年3月に細菌病に強い「紀州ファインホワイト」と「紀州ファインイエロー」の2品種を登録、すでに1・8ヘクタールで栽培が始まっている。7月には早生で収量の多い「紀州ファインルビー」など2品種を出願した。
 エンドウも県内2138農家(207ヘクタール)で栽培されており、日本一の生産量を誇る。2006年に登録した「紀の輝」は、早生でさやが大きく、農家の省力化に役立っている。約30ヘクタールで栽培されており、全体の14%を占める。収穫しやすいように、収量が変わらない背丈の短い品種を研究している。
 スイートピーでは、2005年に淡いピンクでつぼみが落ちにくい品種「紀州ピー1号(ブライダルピンク)」を登録したのをはじめ、これまでに計4品種を登録しており、全体の27%に当たる1・2ヘクタールで栽培されている。さらに07年8月にはクリーム色で秀品率が高い「ピュアクリーム」を出願している。
 バラについては、生産者でつくる和歌山バラ研究会の育種を技術支援して、今年3月に花弁が鮮やかな赤で先がとがっている「ファイナルカーミン」を登録した。
 同センター育種部の藤岡唯志部長は「他県にないものを作ることで、県産ブランドとして売り出していける」と話している。

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