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2008年09月27日(土) 22時29分

「ごね得」発言 知事ら国交相に抗議読売新聞

 中山国土交通相が成田空港の滑走路拡張問題で、「ごね得」と発言し、その後、撤回したことを受け、堂本知事は26日夕、東京都内の国交省を訪れ、中山国交相に「強い失望の念を抱かざるを得ない」とする空港周辺9市町長と連名の抗議文を手渡した。受け取った中山国交相は「私の発言でご迷惑をおかけしました」と頭を下げると、堂本知事は「発言で地元が大変心配している」と軽はずみな発言にくぎを刺した。

 中山国交相は、就任直後で事情をよく知らないままの発言だったと、堂本知事と同席した小泉一成・成田市長、相川勝重・芝山町長に釈明したという。会談後、中山国交相は「反省して、国交相としての職務を全うしたい」と決意を述べた。

 成田空港の建設を巡っては、土地の強制収用で死傷者を出すなど、反対派との対立が激化した経緯があり、国が1993年に「力による対決に終止符を打つ」と謝罪。話し合いによる建設を住民側と約束している。

 相川町長は「歴史認識があれば出てこない言葉で、全くの無知」と大臣発言を厳しく批判。小泉市長も「問答無用のやり方を国が反省した成田空港の歴史は、全国の公共事業の進め方に一石を投じてきた。そうした流れに逆行する発言」と不快感をあらわにした。

 建設予定地の地権者である農家の一人は「発言をすぐに撤回するぐらいだから、それだけ軽率な大臣」と冷ややかだった。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080926-OYT8T00804.htm