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2008年09月27日(土) 08時00分

【本社・FNN世論調査】解散戦略 狂った歯車 民主有利、流れ変わらず産経新聞

 麻生内閣の内閣支持率が思ったほど伸びなかったことは、政界に複雑な波紋を広げた。「政党支持率」だけが、自民党が民主党を上回ったデータだった。3回連続で民主党を上回り、今回8カ月ぶりに3割台に回復した。それ以外は、次期衆院選で「勝たせたい政党」でも、「比例代表でどの党に投票するか」でも、民主が自民を上回り、民主有利の流れは変わらなかった。自民党は、麻生太郎内閣発足の余勢をかって、解散・総選挙になだれ込む計画だったようだが、歯車が狂い始めた。

 河村建夫官房長官は26日の記者会見で、内閣支持率の低迷を聞かれ「前回、前々回と内閣が早く終わったこともあり、厳しめに出たんだろう」と自民党の負の遺産を要因に挙げた。

 そして自らを奮い立たせるように「結果をだせばいいわけですから、これをバネにどんどんよくなる思いでやっていけばいい」と語った。

 解散時期については、与野党とも「10月上旬解散、11月上旬投票」を念頭にしてきた。公明党の太田昭宏代表も同日の講演で「(支持率は予想よりも)若干下との印象を持ったが、流れに大きな変化はない」と言い切った。理由として太田氏が挙げたのは「首相にふさわしい人物」を聞く設問で、麻生首相が小沢代表を圧倒している「党首力」の差だ。

 とはいえ、事故米の不正転売や米国発の金融不安に加え、中山成彬国土交通相の不適切な発言などもあり、自民にマイナス材料は事欠かない。高い支持率で一気に解散するシナリオが「今回の世論調査で崩れた。これでは解散できない」(自民党幹部)との声すら漏れるほどだ。

 支持率が低迷する中で解散に踏み切ったのが平成12年6月の森喜朗内閣だ。森首相の「神の国」発言などで選挙直前の支持率は15・9%(産経新聞とFNNの合同世論調査)。結果は現職閣僚2人が落選し、選挙前議席から38も減らした。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は26日の記者会見で「内閣支持率はこれから急降下していくに違いない。(与党は逆に)早く解散・総選挙に打って出るのではないか。(早期解散を)大いに期待する」と牽制(けんせい)してみせた。

 民主党側からは「麻生首相は選挙の顔として総裁に選ばれた。選挙を先延ばしする力はない」(若手)との冷めた見方も出ている。

 自民党の閣僚経験者は言う。「選挙は賭けだ。マイナス材料が少ない時期をいかに選んで打って出るか。総合的にみて麻生さんが最終判断しなければならない」

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