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2008年09月27日(土) 11時53分

ロス疑惑の三浦容疑者、一定の勝利も厳しい情勢に産経新聞

 殺人罪での逮捕は無効、共謀罪での逮捕は有効と、三浦和義容疑者の逮捕無効申し立てに対するロス郡地裁の判断は、検察、弁護双方の主張に一定の理解を示した形となった。今回、「一事不再理」など論点をめぐる法律論争に一定の判断が下されたことは、逮捕から半年以上が過ぎながら、いまだに「入り口」での議論が続いている審理の進行を後押しする可能性がある。


 「死刑の可能性がある殺人罪での訴追が消えたことは、三浦容疑者の得点。しかし、共謀罪も終身刑ときわめて重い刑が科される可能性があることには変わりなく、全体としては検察側有利の判断」と、審理を傍聴したロスの司法関係者は指摘する。


 一方で、三浦容疑者の弁護を担当するゲラゴス弁護士は「訴追の半分は取り消された。後の半分も、本裁判にいく前に終わりに持ち込む」と、新たな戦略を練る。現在、三浦容疑者のサイパンでの弁護団はあらゆる手段を行使して移送阻止を図っている状態だが、今後、ゲラゴス氏の判断次第で、早期にロスに戦いの場を移すことも考えられる。


 移送が行われたとしても、弁護側は共謀罪をめぐる一事不再理の是非を再び持ち出し、起訴手続きにあたる予備審問の前に全力を挙げて釈放を求めていくことを示唆している。本裁判までには長い時間がかかるのは必至だ。(ロサンゼルス 松尾理也)

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