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2008年09月27日(土) 00時51分

<ベトナム実習生>実質、最賃以下…愛知・稲沢の会社を提訴毎日新聞

 愛知県稲沢市にある築34年の会社寮の2Kの部屋に3〜4人で住み、1人当たり月4万2652円と不当に高額な家賃を給与から控除されていたとして、同市の自動車部品製造会社で働いていたベトナム人技能実習生の男性(23)が26日、会社などを相手取り、約255万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こした。

 技能実習生を巡っては、法令で定める最低賃金以下での労働が問題となっているが、男性は同社が見かけ上は最低賃金を払いながら、高額な家賃控除により実質的に最低賃金以下での労働を強いたと主張している。男性の弁護士は「家賃控除を実習生の低賃金労働の『隠れみの』にする手法が広がっている」と指摘している。

 訴状によると、男性は05年9月に来日。自動車部品製造「ツカモト」(塚本寿男社長)で1年間研修した後、実習生となった2年目以降、社宅費月4万2652円が給与から控除された。だが同じ寮の日本人労働者の家賃は月1万7000円で、実習生らは同居者の多い時で1部屋につき日本人の10倍を払っていた。寮は塚本社長名義という。

 男性が名古屋入国管理局に通報したことなどから、4月以降は新たに光熱水費を含め月3万2553円に減額された。4月以降の手取りは8〜10万円。男性は2年の実習期間を終え、27日帰国する。

 会社側は「担当者がいないのでコメントできない」と話している。【秋山信一】

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