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2008年09月26日(金) 21時39分

ウタリ協会など相次ぎ抗議 中山国交相の問題発言で中国新聞

 中山成彬国土交通相が「日本は内向きな単一民族」などと発言したのを受け、北海道ウタリ協会や日教組の代表、堂本暁子どうもと・あきこ千葉県知事らが二十六日、相次いで国交省を訪れて抗議した。中山氏は同日夕、記者団に「反省の上に立ってしっかり職務を全うしたいと決意を新たにしている」と述べ、辞任の意思がないことを重ねて強調した。

 ウタリ協会の加藤忠かとう・ただし理事長は「同じ発言が(政治家から)再三再四出ており理解に苦しむ。どういう意図なのか」と不快感を示し、中山氏は「舌足らずの発言で不快な思いをさせ、おわびしたい」と謝罪。加藤理事長は記者団に河村建夫官房長官からも謝罪の電話があったと説明し、「これ以上どうこうするつもりはない」と話した。

 成田空港の反対闘争を「ごね得」とした発言に対しては、堂本知事や小泉一成こいずみ・かずなり千葉県成田市長などが「強い失望の念を抱かざるを得ない。空港の整備・運用にも影響を及ぼす」との抗議文を中山氏に提出。堂本知事は会談後、「これまで以上に成田空港のために頑張ると言ってくれたので期待している」と述べた。

 一方、大分県の教員採用汚職事件に絡め「日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低い」とした発言には、日教組の高橋睦子たかはし・むつこ副委員長が「教職員と子どもたちの日々の教育活動を冒とく、人権をじゅうりんしている」「大分県では公教育への信頼回復に努めているのに、子どもや保護者、地域、教職員らの思いや努力を踏みにじるものだ」との抗議文を提出し、辞任を要求した。

 中山氏は「所管外で、時間がない」として面会に応じなかったが、高橋副委員長は「自らテーブルについて謝罪すべきだ」と語気を荒らげた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200809260279.html