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2008年09月26日(金) 22時16分

<麻生内閣>中山氏失言、小泉氏引退、低支持率…早くも荒波毎日新聞

 中山成彬国土交通相の失言問題で、与党内にも同相の更迭論が強まるなど、24日に就任したばかりの麻生太郎首相は、早くも荒波にもまれている。首相は補正予算案を審議した上で解散・総選挙に持ち込みたい意向だが、閣僚の更迭となれば同案審議に影響を与えるのは必至だ。中山国交相の失言に加えて、小泉純一郎元首相の突然の引退など、問題が噴出した麻生内閣は、早くもつまずきを見せた格好だ。

 中山国交相の失言が深刻なのは、発言がいずれも過去の経緯や事実関係を踏まえていない点。成田問題で政府は95年1月、亀井静香運輸相(当時)が閣議で了解を得た上で、建設反対派の農家に謝罪文を提出した。「単一民族」問題も、国会が今年6月にアイヌ民族の「先住民族」認定を求める決議を採択したばかり。教育問題は、斉藤鉄夫環境相から「日教組の組織率と学力試験に相関関係はない。科学データに基づかない発言は大きな誤解を生む」と批判された。

 中山国交相は文部科学相だった04年11月、歴史教科書の記述は「極めて自虐的」などと発言し、後に修正したが、05年1月に「自虐的な教科書がいっぱいある」などと語った“過去”がある。

 小泉元首相の引退も、「構造改革の旗印」が消えたことで総選挙に影響すると指摘されている。山本一太前副外相は「麻生政権で、あらゆる改革が小泉政権前に逆戻りしている。そのタイミングで小泉さんがいなくなると自民党は古い政党に戻ったとイメージが悪くなる」と懸念した。二階俊博経済産業相も「あれだけ影響力を持った政治家が、国会議員としての政治活動に幕を下ろしたわけで、影響がないとは、とてもいえない」と憂えた。

 毎日新聞の世論調査では、麻生内閣発足直後の支持率は45%。安倍政権の67%、福田政権の57%にも及ばなかった。中曽根康弘元首相はTBSの番組収録で「他内閣と比べるとちょっと数字が低い。(安倍内閣、福田内閣と)2代にわたって(政権を)投げ出し、そのあおりを食らっている。自分の力で50〜60%を獲得しないといけない」と指摘した。

【高塚保、古本陽荘】

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