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2008年09月26日(金) 18時51分

iPhone 3G、王座陥落──Samsung電子製端末に首位奪われる+D Mobile

 「それでも、ソフトバンクモバイル端末として最も売れている」──と思っていたあの端末が、今回ついに王座を明け渡した。一方、ドコモとau端末は順位の変動がほとんどなくなり、“敬老の日”需要を担う端末が順当に潤う程度のランキングとなった。

【表:携帯販売ランキング(9月15日〜9月21日)】 【他の画像】

●敬老の日+“らくらくホン”需要続く──順位はほとんど変動なし

 今回のドコモ端末ランキングは、敬老の日需要による「らくらくホン」シリーズ2機種の人気がいまだ高いものの、順位に大きな変動はなくなった。

 首位は変わらずパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P906i」が獲得。連続首位記録を「17」に伸ばした。

 続いて2位にNEC製の「N906iμ」、3位にシャープ製の「SH906i」、4位に富士通製の「らくらくホンV」(前回5位)、5位にNEC製の「N706i」(前回6位)が入った。906iシリーズ人気3機種であるP906i、N906iμ、SH906iは、キャリア総合ランキングでも変わらず1位から3位を占めている。

 前回躍進した、らくらくホンVと「らくらくホンIVS」の2機種は敬老の日需要が今回も続いた。キャリア総合ランキングでも、らくらくホンVは前回の7位から6位に、らくらくホンIVSもランク圏外から10位に上げた。

●au端末も変動穏やかに──唯一、「URBANO」が躍進

 au端末も顔ぶれは大きく変わらず、順位の変動も少なくなっている。

 首位は前回と変わらず、シャープ製の「W62SH」が獲得した。連続首位記録を「7」に伸ばし、2008年夏モデル12機種の中では圧倒的な人気であることが伺える。

 続いて2位に東芝製の「W61T」(2008年春モデル)、3位にパナソニック モバイル製の「W61P」(2008年春モデル)、4位にシャープ製の「AQUOSケータイ W61SH」(2008年春モデル)、5位にソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「W62S」(2008年春モデル)が入った。上位5機種に順位の変動はなかった。

 今回躍進したのは、登場2週目のシャープ製「URBANO」。前回は初登場で10位に入ったが、今回は4つも順位を上げ、6位にまで上ってきた。W62SHとカシオ計算機製の「G'zOne W62CA」(今回8位)、発売から数回ランクインした日立製作所製の「Woooケータイ W62H」、ソニー・エリクソン製の「フルチェンケータイ re」、京セラ製SANYOブランドの「W64SA」以外の夏モデルは新機種ならではの勢いがなかったが、その「新機種が思うように伸びない」状況でURBANOの躍進は喜ばしい。また、8月30日発売のPantech & Curitel製新機種「簡単ケータイ W62PT」も7位を維持している。

 今回の集計期間は敬老の日当日の9月15日から21日。ドコモ端末と同じように敬老の日需要を担う端末がランキングに残ると思われたが、京セラ製の「簡単ケータイ A5528K」は前回の8位からランク圏外に落ちてしまった。2007年8月発売の簡単ケータイ A5528Kはかなり安価に販売されていたが、2008年の敬老の日商戦は、新機種の簡単ケータイ W62PTに人気が集まったようだ。

●iPhone 3G、首位陥落──Samsung電子製「821SC」が初の首位

 ソフトバンクモバイル端末のランキングは、7月11日の発売以来、連続首位記録を「10」まで伸ばしていた「iPhone 3G(16Gバイトモデル)」がついに王座を奪われた。

 首位はSamsung電子製の「821SC」(前回2位)が獲得。続いて2位にiPhone 3G(16Gバイトモデル)、3位にパナソニック モバイル製の「820P」(前回4位)、4位にシャープ製の「AQUOSケータイ 923SH」(前回3位)、5位にシャープ製の「FULLFACE 2 921SH」(前回6位)が入った。

 韓Samsung電子は旧ボーダフォン時代に「804SS」(2006年)で国内携帯市場に参入した、世界シェア第2位の携帯メーカー(2007年)だが、国内での首位は当ランキング開始以来初めて。くしくも同じくワールドワイドで展開するAppleのiPhone 3Gを抜いて首位に立ったことに驚かされる。821SCは2008年春モデルとして発売からやや時間が経過しており、現在は「実質0円」で販売される機種ではあるが、ワンセグ+有機EL+プレーンでコンパクトなボディやカラーリング+必要十分のスペックといった特徴で、ほかの安価な旧機種より人気を得ている。

 なお、Samsung電子は「OMNIAないし相応のハイエンド端末を2008年内に投入」する意向を示している。iPhone 3Gと同様の大型タッチパネルディスプレイとタッチUIを備えるOMNIAは「iPhone対抗」と言われることもあるが、国内での発売でどれだけ反響があるだろうかと俄然楽しみになってきた。

●新機種「D12LC」、登場2週目で4位に躍進

 イー・モバイル端末のランキングは、製品ラインアップが増えてきたことで如実に新旧機種の世代交代が盛んになってきている。

 首位は前回と変わらず7.2Mbps通信対応のUSB型データ通信端末「D02HW」が獲得。D02HWは2007年12月発売の機種だが、人気は依然高い。

 続いて2位にUSBスティック型の「D11LC」、3位に音声サービス対応の「H11T」(前回4位)、4位にUSBスティック型新機種の「D12LC」(前回7位)、5位にExpressCard型の「D03HW」(前回3位)が入った。

 9月に入り、じわじわ順位を上げているのは中国Longcheer Technology製のUSBスティック型データ通信端末だ。今回2位のD11LCは最大3.6Mbps通信対応と上位機種には劣るが、やや昔のUSBメモリほどのサイズとなにより安い販売価格が人気のポイントとなっている。家電量販店などで実施する「100円PC」用にD11LCを選ぶシーンも多い。

 登場2週目の新機種D12LCは、D11LCのスタイルをそのままに、より高速な7.2Mbps通信に対応したデータ通信端末。販売価格はD11LCより若干高価だが、それでも“新にねん”の契約で実質9980円で購入できる。

※イー・モバイルの端末はまだ機種数が少なく、データ通信端末は別掲するPHS・データ通信端末のランキングと重複する部分もありますが、このランキングは「イー・モバイルの全機種」が対象となります。今後、機種数が増えるに従って対象範囲を調整することも計画しております。なお、イー・モバイル端末はキャリア総合ランキングの対象にも含めてあります。


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