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2008年09月26日(金) 15時16分

大和都市管財事件、2審は賠償15億円…国の責任広く認定読売新聞

 2001年に破たんした抵当証券会社「大和都市管財」グループの巨額詐欺事件に絡み、抵当証券の購入者631人が「近畿財務局は同社が破たん必至の状態と認識しながら抵当証券業の登録を更新し、被害を拡大させた」として、国に約16億8000万円の国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁であった。

 小田耕治裁判長は、国の過失を認め、原告260人に対して約6億7400万円を賠償するよう命じた1審・大阪地裁判決より国の責任を広く認定し、627人に計約15億5800万円を賠償するよう国に命じた。残る4人の請求は棄却した。

 昨年6月の1審判決は、財産上の消費者被害について国の賠償責任を初めて認め、「近畿財務局は1997年12月の登録更新時、破たんが差し迫っていたことを容易に認識できたのに注意義務を尽くさず、漫然と登録を更新した」と指摘。更新後に顧客となった260人について損害を認めたうえで「原告もリスクを知り得た」として過失相殺し、損害の6割を減額した。

 1審では、原告721人が総額約40億円を請求。敗訴した国と請求を棄却された原告らが控訴していた。

 大和都市管財は85年ごろから抵当証券の販売を始めたが、01年4月、近畿財務局が債務超過と判断し、抵当証券業の登録更新を拒否して経営破たん。詐欺罪に問われた元社長(72)は06年9月、最高裁で懲役12年の実刑が確定した。

 被害は全国で約1万7000人、総額約1100億円。金の現物まがい商法で約3万人から約2000億円を集めたとされる豊田商事事件に次ぐ規模だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080926-00000028-yom-soci