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2008年09月25日(木) 22時10分

小泉元首相不出馬…麻生政権の船出に打撃、衆院選に影響も読売新聞

 自民党の小泉元首相が次期衆院選への不出馬を表明したことについて、自民党内には、小泉政権との路線転換を鮮明にする麻生政権の出はなをくじく印象を与えたと見る向きも少なくない。

 民主党との政権選択選挙となる次期衆院選にも影響を与えることが予想される。

 自民党の細田幹事長は25日夜、首相官邸で記者団に対し、麻生首相就任が小泉氏の不出馬に影響したかどうかについて、「わからない」と言及を避けた。ただ、町村派の中堅議員は「麻生氏が首相になって、政策も手法も小泉政権以前に戻っている」と指摘し、不出馬の引き金となったのではないかとの見方を示した。

 首相は「改革自体は正しかった」としつつ、5年半に及ぶ改革の結果、地方の疲弊や農林水産業の衰退などの格差問題が広がったことを踏まえて「既得権益を壊された人たちにとって、改革が大きければ大きいほどひずみも大きく、しかるべき手当てがいる」と修正の必要性を強調している。

 小泉氏の突然の不出馬がもたらす衆院選への影響について、公明党の太田代表は都内で記者団に対し、「麻生首相は大変明るくて勢いのある、ある意味で同じようなパワーを持った感じがする。選挙戦自体に影響があるとは思わない」と強調した。これに対し、小泉氏の盟友、山崎拓・前副総裁は25日夜、都内で記者団に、「プラスではないでしょう。むしろ、非常に大きなマイナスになる可能性を持っている」と懸念を示した。

 党内では、国民の人気が依然として高い小泉氏の存在は、無党派層の多い都市部では多くの支持を集める可能性が高いとみられている。それだけに、「小泉氏は党の改革イメージの象徴で存在は大きく、衆院選は厳しくなる」(町村派若手)との懸念が出ている。

 一方、民主党の山岡賢次国会対策委員長は国会内で記者団に対し、2005年の衆院選での自民党大勝について「自民党をぶっ壊すことへの国民の期待感があったが、ぶっ壊すどころか最強の自民党を作り上げた」と指摘した上で、「民主党に対し、本当の意味での自民党に代わる政権として国民の期待感が非常に高まっている」と強調した。

 社民党の保坂展人副幹事長も国会内で記者団に、「自民党は古い、既得権を守る集団になる。衆院選が非常に楽しみだ」と語った。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080924-4471734/news/20080925-OYT1T00713.htm