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2008年09月25日(木) 14時31分

グーグル、「世界を変えるアイデア」に約10億5,000万円の資金を提供Computerworld.jp

 米国Googleは9月24日、創立10周年記念事業の一環として、世界を変えることができるアイデアを募り、より多くの人々のために役立つと思われるものを一般投票で選ぶという新プロジェクト「Project 10 100」(10 to the 100th)を発表した。プロジェクト名は、10の100乗という意味を持つ「googol」という言葉にちなんでいる。

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 Googleは公式Webサイトで「多数の人々が、大量の情報や自由自在なツール、すぐれたアイデアを実現するさまざまな手段を手に入れたのは、歴史上初めてのことだ。しかし同時に、さまざまな階級にわたる多くの人々が、規模の大小を問わず、何かしらの手助けを必要としていることも事実だ」と述べ、同プロジェクトの意図を説明している。

 募集しているアイデアの項目は、Energy(持続可能なエネルギー源)、Environment(環境保護)、Health(健康の向上)、 Education(教育の普及・向上)、Shelter(安全な住居の確保)、Community(コミュニティの活性化・文化の保護)、Opportunity(家族を支援する自助努力の機会創出)、という7つのカテゴリに分類される。また「その他」というカテゴリも設けられた。

 受賞アイデアの決定にあたっては、一般からの投票のほかに審議会が設けられ、最終選考が行われる。

 アイデア提出の締め切り日は今年10月20日。選考の流れは、2009年1月27日にGoogleの社員チームによる1次審査を通過した100点のアイデアが発表される。その後、2次審査となる一般投票で20点まで絞り込み、審議会による最終選考を経て、2月中旬に最高5点までの最優秀賞を決定する。 Googleは受賞したアイデアを実現するため、総額1,000万ドル(約10億5,000万円)の資金を提供するという。

 応募方法は、公式サイトに設けられた質問フォームに記入する形で、非常にシンプルだ。例えば、「あなたのアイデアが実現すると、どのような人々に、どのような利点があるか?」「このアイデアが受賞し、実現に成功したときにもたらされる、最大の成果は何か?」といった質問に答える。そのほかに、応募者は自分のアイデアを説明する最長30秒のビデオを制作し、YouTubeで配信することもできる。

 Googleは、特に緊急の援助を必要としている大勢の人々を支援するためのアイデアを求めており、シンプルで費用効率がよく、効果が持続するようなものが望ましいという。同社は、このような基準を満たすアイデアの参考例を、いくつか紹介している。その1つである「Hippo Water Roller」は、24ガロン(約91リットル)の液体が入る容器で、地面を転がして簡単に運搬するためのハンドルが付いている製品だ。水の確保が困難なアフリカなどの地域で、人々の負担を軽くするために開発された。

 なお、Googleでは企業よりもむしろ、個人としてのアイデアを応募するよう呼びかけている。

 入選者は、みずからアイデアを実行する必要はない。資金を提供する入選アイデアが決定したあと、Googleはアイデアを実現できる企業団体を一般競売で決め、プロジェクトを実施するという。同社は、「アイデアが選ばれることに対する報い(カルマ)は、自分の提案により、真に多くの人々を助けていることを知るということだ」と表現している。

(Jon Brodkin/Network World米国版)

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