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2008年09月24日(水) 00時00分

犬派の彼女を変えた、ワル猫ワルオとの出会い in 福岡読売新聞


犬派女性のハートをいちころ。ワル猫ワルオくん(撮影:鈴木美也子)

出勤する”猫スタッフ”は13匹のローテーション。(撮影:鈴木美也子)

猫と触れ合ったあとは、里親にも立候補できちゃう。(撮影:鈴木美也子)
あなたの好みの男性は犬タイプ?それとも猫タイプ?

 今回写真をすべて担当していただいた鈴木美也子氏は、以前女性向け情報誌の断食ツアー取材で知り合った。人物・料理ほか何でもござれの敏腕カメラマンだが、特にアスリートの撮影には定評がある体育会系な彼女。しかも猫にさほど興味は無く、どちらかというと犬派とのこと。そんな彼女がどうして猫の撮影?と思う人も多いはず。

 ベッタリ猫好きじゃないからこそ、妥協せず美しい(猫の)表情を逃さない。猫好きにありがちな構図も選ばない。背景とのバランスも見事だ。もちろん女性カメラマンならではの柔らかい色彩も魅力のひとつ。わたしはすべての写真を引き伸ばし、額に入れて飾ってもいいくらいのクオリティーを彼女に求めた。スケジュールもキツキツ。猫は相変わらず気まま。文章にしてみると、なんて”ドS”な編集者なのでしょう。

 さて、そんな彼女とわたしが、福岡で話題のネコカフェ「キューリグ」を訪ねたときのことである。いつものように打ち合わせを済まし、鈴木氏は撮影、わたしは取材に取りかかった。取材が終わると、ちょうどお昼時。店内は満席。外には入店を待つ置くお客さんの列が出来ていた。機材も邪魔になるし、そろそろおいとましなきゃ!と思って彼女を探すと、なんとトイレに。中にいる一匹の猫の撮影に夢中になっていたのだ。「かわいいよ〜かわいいよ〜」と言いながら(笑)、一向にそばを離れようとしない。

 そのとき、わたしは思った。「とうとう落ちたか」。ニヤニヤしながら、「混んできたからもうお店出るよ。片付けてー」と声を掛けると、「もうちょっと待って」。撮影は何とか終わらせたが、そのあとにまたひと騒動。彼女、「ワルオを連れて帰る」と言い出した。「交渉してくる」と言い残したまま、再びキューリグへ。何時間か出てこなかった。

 結果は残念ながらNG。そりゃ仕方ない。猫スタッフですものね。ただ、わたしとしては、猫のかわいさに目覚めた鈴木氏の様子が面白くて面白くて、そしてうれしくもあったのだ。

 そのあとの撮影では、猫たちに優しく声をかける鈴木嬢が見られるようになった。この変化といったら!ようこそ!猫派へ。

 後日談。彼女にワルオのどこがそんなに気に入ったのかを聞いてみると、返ってきた答えが「言うことを聞かないワルいところ。そういえば男性の好みと似てるかも知れない。」とのことだった。そういえば、猫好きな女性と話していると、分かりやすい犬タイプより、気ままで自由な猫タイプの男性が好きなロマンチストが多い、と感じたことがある。改めて猫ファンの女性にインタビューしたくなった。「あなたの好みの男性は犬タイプ?それとも猫タイプ?」

 なにはともあれ、ワルオとの出会いをきっかけに、鈴木氏は猫好きカメラマンへと変貌を遂げたのである。これからの彼女の写真がどう変化していくのか、とても楽しみだ。

    NEKO CAFE KEURIG ネコカフェ キューリグ       場所 福岡県福岡市中央区大名1-10-15 WATTビル1F       TEL:092-985-3202

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/pet/neko/neko080924.htm