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2008年09月24日(水) 19時04分

【元公安庁長官再尋問(12)】満井被告が新聞紙に3000万円「訳分からなかった」産経新聞

 《朝鮮総連から現金が振り込まれた後、緒方重威被告の口座を出入りする現金の流れについての質問が続く》

 緒方被告の弁護人「被告人の口座に振り込まれた7000万円はどうなりましたか」

 緒方被告「満井(忠男被告)さんから『送金しなくてもよくなり、預かって』と言われたのでそのままにしました」

 緒方被告の弁護人「検察官は冒頭陳述で、被告が7000万円について返済資金に見せかけていたという主張をしていますが、これは真実ですか」

 緒方被告「いえ、真実ではありません」

 緒方被告の弁護人「全くのでたらめと言うことですね」

 緒方被告「そうですね」

 緒方被告の弁護人「平成19年5月1日の3000万円ですが、(満井被告が実質経営していた)医療電子科学(研究所)に貸し付けた金の返済として送金されたということでしたね?」

 緒方被告「はい」

 緒方被告の弁護人「そう認識したのはなぜですか」

 緒方被告「満井さんから『先生にお借りしている分をお返しします』と言われたからです」


 《緒方被告の弁護人は緒方被告の預金通帳を示し、金の出入金について一つ一つ理由と経緯を質問していく》


 緒方被告の弁護人「医療電子への貸し付けは計約1億5000万円ありますが、(医療電子科学に出資している)韓国人への返済資金が7000万、8000万強の残高があるということでしょうか」

 緒方被告「そうです」

 緒方被告の弁護人「5月1日に3000万の入金後、5月10日に3000万を引き出し、18日に3000万円預け、5月31日に1億円を引き出し、同日同額が戻っています。5月10日に3000万円引き出したのはどういう意味合いですか」

 緒方被告「満井さんから、医療電子科学で必要なので貸してくれないかと言われたので、手元にある遊んでる金だったので『どうぞ』と持っていってもらいました」

 緒方被告の弁護人「5月18日に預け入れ3000万円とありますが、これは?」

 緒方被告「満井さんから3000万円預かってと言われました」

 緒方被告の弁護人「そのときに趣旨は聞きましたか」

 緒方被告「土屋公献弁護士の事務所で打ち合わせした後、路上で新聞紙にくるんだ金を渡されて、『訳が分からない。こんなの持っているのは嫌』と突き返したが、『目の前にみずほ銀行があるから、そこで口座に入れて、後で説明する』と言われました。お互い時間もなかったので、そのときは仕方なく入金しました」

 緒方被告の弁護人「後から趣旨は聞きましたか」

 緒方被告「はい、当日の昼近く、『TSKの関係で共同都心住宅販売所有のマンションを買うのに、空手団体総裁に金を見せないといけない。先生に渡した3000万円と韓国人からの7000万円を合わせると1億になる』と言われ、満井さんが預けている金を総裁に見せるためと理解しました。どちらも満井さんのお金なので、その通り預かりました」


 《緒方被告は満井被告と東京・六本木の通称「TSKビル」の地上げを手がけていた。検察側はこの地上げ資金を必要としていたことを総連事件の動機と位置づけている》


 緒方被告の弁護人「その通帳で5月31日に1億円を引き出し、同じ日に1億円振り込みとあります。これはどういうことですか」

 緒方被告「ちょうど私の口座に1億3000万円くらいの金があり、5月31日がTSKの最後の金の授受の日で、1億円を空手団体総裁に渡さないといけませんでした。(総裁からは)『現金で渡してくれ』と言われましたが、(TSkビルの地上げ資金調達担当の)東京都内の商社社長からは『現金を持っていけない』と言われました。そこで困って、ちょうど1億円あったので、満井さんには悪いと思ったが明け渡しをスムーズにするためにも、総裁に金を渡しました。通帳には(メモ書きで)『預かり金返済』とありますが、そうではなく、預かり金としてもらったという趣旨です」


 《緒方被告の通帳には、本人が書いた直筆のメモがあり、ときには自身の答弁と食い違うことも。そのつど、言い訳をするように必死で意味合いを説明する姿が印象的だ》

    =(13)に続く

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080924-00000572-san-soci