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2008年09月24日(水) 18時00分

【元公安庁長官再尋問(10)】「検事はどこ見ているのか」緒方被告、“古巣”に怒り爆発産経新聞

 《満井忠男被告が実質経営する「医療電子科学研究所」、同社に出資している韓国人、緒方重威被告の3者をめぐる現金の流れについて、弁護人が緒方被告に質問している。現金の話だけに、何度も緒方被告に通帳を示しながらの質問となった》


 緒方被告の弁護人「(平成18年)3月10日の出金の振込には『医療電子科学貸付』と書き込みがありますが?」

 緒方被告「私の口座から医療電子科学に渡っているので、貸し付けと書きました」

 緒方被告の弁護人「医療電子科学から借用書は取りましたか」

 緒方被告「取ったと思います」

 緒方被告の弁護人「3月10日の60万ドルの入金について聞きます。ファクスで連絡を受けた記憶がありますか」

 緒方被告「あります。ファクスで?」


 《「あります」と言い切った後、緒方被告は突然躊躇した。当時の記憶を思い返そうと、必死で証拠品の通帳を目をこらしながら眺めている。その後、18年3月10日と同年5月26日の韓国人からの入金ついて質問が続き、緒方被告は5月の入金額約6700万のうち、約4200万円余りが医療電子科学に渡ったと証言した》


 緒方被告の弁護人「被告は弁護士業務の経理を顧問税理士に任せていますが、(5月26日に緒方被告の口座に入金された)6700万円余りについて医療電子科学から返済があったように処理したのは誤りですか」

 緒方被告「誤りです」

 緒方被告の弁護「平成18年12月末で医療電子科学への貸し付けが756万円余りしかないというのも誤りですか」

 緒方被告「はい」

 緒方被告の弁護人「誤りと気づいたのはいつですか」

 緒方被告「5月26日の処理について、税理士の調書を見て愕然(がくぜん)としました。私を取り調べた検事に『満井さんから言われて預かった」と言うと、『うそだ。税理士も調べているんだ』と言われた。何で私が医療電子科学から外国為替で現金を受け取らなければいけないのですか。本当に検事はどこを見ているのかと思いました」


 《検察官の取り調べの様子を思い出した緒方被告は、憤懣(ふんまん)やる方ない様子だ。いかに自分が正しく、その主張を検察官が理解しない様子についてしばらく説明を続けた》


 緒方被告の弁護人「では、5月26日の入金に際しての話を聞きます。それ以前に満井さん以外からファクスで、そういう(入金する)連絡を受けていませんか」

 緒方被告「(医療電子科学に出資している)韓国人からどういう趣旨で送金するのかファクスが来ていました」

 緒方被告の弁護「満井さんの説明と同じことを書いていましたか」

 緒方被告「はい」

 緒方被告の弁護人「(緒方被告の通帳に記載がある)5月26日の3500万円と678万円の出金欄に『医療電子科学支払い』とあるのは、どういう意味ですか」

 緒方被告「医療電子科学に振り込んだものと、現金で渡したことを書きました。普通は『支払い』と私は書かないんですけどね…」

     =(11)に続く

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080924-00000563-san-soci