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2008年09月24日(水) 17時53分

【元公安庁長官再尋問(9)】満井被告への貸し付けは「5億5000万円」産経新聞

 《満井忠男被告が朝鮮総連から引き出した資金の一部である1億円を受け取っていた緒方重威被告。証人尋問でも「総連の資金であることを知らなかった」という主張を繰り返している。1億円のうち7000万円は、満井忠男被告が実質的に経営する「医療電子科学研究所」に出資している韓国人への返済金を一時的に預かっただけという。7000万円が緒方被告の銀行口座に振り込まれた平成19年4月末ごろ、韓国人と会った際のやりとりが再現される》


 緒方被告の弁護人「どんな話をしましたか」

 緒方被告「韓国人とは初対面の話です。無口で向こうの方から話をすることはなかったですね。(去年3月に借りた)7000万円について『送金します』というと、韓国人は『分かりました』と」

 緒方被告の弁護人「どういう感じでしたか」

 緒方被告「至極、当たり前のこと、という感じでした。ただ、通訳を介してのやりとりなので…」

 緒方被告の弁護人「被告の通帳を見ますと、韓国人から(総連事件の1年前の)平成18年3月10日に外国為替で7062万円の振り込みがありましたね」

 緒方被告「はい」


 《弁護側は、緒方被告の通帳の内容を読み上げる。証言席の緒方被告には預金通帳を手渡し、内容を確認しながら尋問を続ける》


 緒方被告の弁護人「7062万円の振り込みについて、満井(被告)から事前に連絡がありましたか」

 緒方被告「直前にあったと思います。『韓国人から60万ドル(当時の為替相場で7062万円相当)の送金があるので受け取って下さい』と」

 緒方被告の弁護人「送金の趣旨は?」

 緒方被告「特段なかったが、私としては、判断していました。満井さんのために4億3000万円を借り入れていたのですが、平成18年3月末の期限までに返済できない。借り換え資金の調達を頼んでおいたので、その資金だと思いました」

 緒方被告の弁護人「このほかに、満井被告にはどれぐらい貸していましたか」

 緒方被告「1億2500万円ぐらいだと思います」

 緒方被告の弁護人「この7000万円は医療電子科学に振り込んだのですか」

 緒方被告「はい」

 緒方被告の弁護人「なぜですか」

 緒方被告「満井さんの指示です」

 緒方被告の弁護人「4億3000万円の借り換え資金については、満井被告に尋ねましたか」

 緒方被告「はい。満井さんは『私の方で調達しますから大丈夫です』と言いました。医療電子科学から約5500万円振り込みがありました」

 緒方被告の弁護人「5500万円をどう使いましたか」

 緒方被告「(借り換えのための元本返済金として)4500万〜4600万円ぐらいを振り込んでいるはずです」

 緒方被告の弁護人「通帳で平成18年3月に、4400万円の出金記録があり、『○○(借り先の会社名)返済』とメモがあります」

 緒方被告「私が書き込んだものです」

 緒方被告の弁護人「差額は」

 緒方被告「事務所に置いたままです」

 緒方被告の弁護人「これは韓国人に返済するための資金ではなかった?」

 緒方被告「はい、ありません」

 緒方被告の弁護人「約7000万円は、韓国人に戻さなければいけない金であると言われていたんですね」

 緒方被告「はい」

 緒方被告の弁護人「あなたの通帳は、ほかのも書き込みがあるんですか」

 緒方被告「はい。お金が動くと書き込みをしておきます。金の受け払いはどういうことであったか分かるように」

 緒方被告の弁護人「税務申告の資料にするために?」

 緒方被告「そうなっていました」

 緒方被告の弁護人「平成18年3月10日の7062万円振り込みの印字の横に『満井氏返済』とありますが」

 緒方被告「私が書いたものです。借金は満井さんのために借りたものだから、私の認識では、満井さんに4億3000万円貸したという認識でした。借り換えのための金が入ってきて、借金が7000万円減ったという認識でした」

    =(10)に続く

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