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2008年09月24日(水) 02時09分

<贈収賄容疑>岐阜・岐南町長を逮捕 無利子で3千万借りる毎日新聞

 町発注工事の入札の指名業者選定で便宜を図る見返りに、業者から無利子・無担保で現金約3000万円を借りたとして、岐阜県警捜査2課と岐阜羽島署は23日、岐南町長の片桐博彰容疑者(59)=同町八剣=と知人のトラック運転手、池田健容疑者(39)=同=を収賄容疑で、土木工事会社の元社長ら2人を贈賄容疑で逮捕した。

 県警は、金融機関から融資を受けられる状態ではなかったのに借金できたことが利益に当たると判断した。借金をもとに贈収賄容疑で逮捕したのは珍しいという。片桐容疑者は容疑を認め「金は別の借金返済に充てた」と供述しているという。

 贈賄容疑で逮捕されたのは元「山佐組」社長、久保正和容疑者(34)=関市=と、久保容疑者の母で元「三洋組」社長、秋子容疑者(59)=山県市。

 調べでは、片桐容疑者らは共謀し、07年12月に入札を実施した4土木工事の入札で、山佐組を指名業者に選んでもらいたいとの趣旨と知りながら昨年3月、三洋組応接室で正和容疑者らから現金約3000万円を借りた疑い。

 12月の入札では、山佐組が3工事を落札した。池田容疑者は片桐容疑者と正和容疑者を引き合わせ、借金話を持ちかけたという。

 片桐容疑者は町議を2期務め、04年の町長選で初当選、現在1期目。今年12月23日が任期満了で、今月、出馬断念を表明した。また、19日の町議会で一般質問に「どの業者にも同じような対応をしている。不正な事実は何もない」などと答弁していた。

 関係者によると、片桐容疑者は福祉事業会社の社長だった03年、老人福祉施設の建設を計画して3000万円の出資を受けたが、社員が金を持ち逃げしたため計画が頓挫、借金を負った。今年2月には岐阜市の金融業者から借りた約500万円を滞納。6月に担保の自宅土地と建物を差し押さえられ岐阜地裁が競売開始を決定した。

 折戸宜男副町長は「借金のうわさは聞いていたが、突然のことでびっくりしている」と話した。【山田尚弘】

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