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2008年09月23日(火) 10時40分

王監督「ファンの悲痛な叫びに…」 70敗目あと1敗で11年ぶり負け越し西日本スポーツ

 ファンのためにも、このままでは終われない! 4連敗で最下位楽天に1・5ゲーム差に詰め寄られ、これでシーズン70敗目。1997年の71敗以来の屈辱だ。あと1敗すれば、同年以来の負け越しが決定する危機的状況となったが、王貞治監督(68)は「こういう試合は見たくない。それがファンの正直な気持ちだろう。自分たちで流れを変えるしかない。何をやっても流れを変える」と力を込めた。

 ジェット風船を飛ばし終えたファンが通路に押し寄せた。4番松中が左飛に倒れた7回の攻撃終了後。3万491人が詰め掛けたスタンドが空席だらけになった。ダルビッシュに沈黙した。1997年以来の70敗目。王監督は大きな目に、悲しい光景を焼き付けた。

 「本拠地で1年間応援してくれたお客さんにね…。悲痛な叫びは十分に聞こえている。こういう試合は見たくない。それがファンの人の正直な気持ちだろう」。先発新垣が自滅し、ダルビッシュには今季5戦5敗。王監督は今季9度目のゼロ封負けを深くかみしめた。

 ダルビッシュに8回2安打。数少ないチャンスは4併殺でつぶした。王監督が憤然といすから立ち上がったのは、3回だった。先頭の小斉が四球で出塁するが、山崎の浅い右飛で帰塁できずに併殺。王監督はベンチに戻った小斉から、すぐさま“事情聴取”した。

 「(帰塁で)何で滑らなかったんだ! 」。王監督はスライディングせずに、足から戻った小斉をしかった。試合後は「勝っていると、あんまりクローズアップされないけどね」とかばったが、絶対にあきらめないプロの姿勢を求めた。5回の守備から、捕手が本職の田上との交代を命じた。

 本拠地最後の5連戦で黒星を3つ並べ、今季5度目の4連敗。「とにかく本拠地であと2つ。何をやっても、自分たちで流れを変える」。王監督は悲痛な思いを絞り出した。泥沼の9月は3勝14敗に沈み、本拠地ヤフードームでは9月10日の楽天戦で勝っただけだ。

 1999年の優勝&日本一以来、シーズンの最後まで本拠地のファンを熱狂させてきた。「本当はもっと超満員になるようにしたい。今の状況じゃ仕方ないが、1日も早くそんなところに戻れるように、自分で示すしかない」。王監督はプロのプライドに訴えた。

 恒例となった試合後の緊急ミーティング。「もっと目をギラギラさせていこう」。68歳の指揮官の魂の言葉に、選手たちがどう応えるか。CS圏内の3位日本ハムとは4・5差に開き、最下位楽天とは1・5差。あと1敗で11年ぶりのシーズン負け越しも決まる。本拠地の残り2試合で、何かを変えないといけない。 (相島聡司)

=2008/09/23付 西日本スポーツ=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080923-00000000-nishins-spo